planisphere

どこにいるんだろう、もう一人の自分。
探しているんだ、本当の自分。
そんなの掴んだためし、ないけど。

「ごめん」って言って、「いいよ」って言われるの好きだから、いくらでも自分のことを嫌いになれた。
かぎかっこなしの僕の台詞、そんな君の心に加えてほしい。

首元に、夏の大三角。
いまだに甘いループの渦中。
飽きるほど泣いたのに、ねぇ、また泣きたくなる。

僕の声が届く、その耳の近く。
ふとももと、ふくらはぎのうら。
そしてその脚のたもと。
すべて繋いで見えた星座が、指し示しているのはここなんだ。

宝物をそっと置いて置ける場所。
誰にも言えない秘密を、君が僕にあずけてくれる場所。

ずっと、ずっと探していたんだ。

首元に、夏の大三角。
たったひとつの僕の夏に、その星たちを加えてほしい。

ずっと、ずっと探していたんだ。

おかえり、僕のふたご。

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The Monologues of Mire and Aki

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-08-22

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