影送り
無意識の呟語、それこそが
真実を浮かびあがらせるのではなかろうか?
頭を酷使し、精神を疲弊させ
もう何も言えることなどない──そんな時に
魂をよぎる『何か』がある
私はその輪郭を掴もうと
なけなしの言葉でなぞるのだ
情熱とも平静とも異なる、その『何か』を
擦り切れた魂を回復させるような言葉を
いつも探している、未だにそれは見つからない
自分のことを見て見ぬふりしてきたつけを
いつかは払わなければならないのだ
あと何をどれだけ代償にすれば
私を護ってくれる言葉に巡り会えるのだろう?
私は魂によぎる『何か』の影を掴もうとする
いま思えば、それは詩のような匂いで
真実のようなかたちをしていたと思う
影送り