『詩集。』

どこに置いたら良いか迷ったものを保管庫かわりに置いていきます。
よろしくお願いいたします。
まだひとつです。

『8/15』

背中暗闇の遠さ、レンズを向ける。
沈黙の小箱を開けて世間を鮮やかに映し出したいから。


お相手真正面柔和な受け答えを誰かが飲みこみ、噛み砕きやがてそれらは紙面に正しく配置される。
僕以外の数多の手のひらによって。


いつの時代か。
僕は生きる延びるためペンをはしらせた。
ペンは、二度とそんな僕の名前を呼んでくれなかった。

言葉は語っても聞いても嘘をつく。


僕は今。
カメラで背中暗闇を破る。

お相手腹の底腑に落ちないことばかりだと肩をすくめる。
円滑とは程遠い劇場を生き抜くのだ、その背中は。
視線の温度よりレーザーの到達速度より捉えたい。


あなたが見届けた光景を糧に、あなたの背が物語る歴史を僕は朝焼けにする。
暗闇は光る。


荘厳、激烈、寂寥、鬱屈。
大戦明け見上げる太陽の色。
忘れないとずっと昔、死んだあなたと僕が笑った。
始まりだと、現代を生きるあなたと僕が、厳しくまなざしを交わす。

カメラ越しで。

『詩集。』

『詩集。』

リアルタイム詩集。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-08-17

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