キミに出逢って。
あたしはまだ知らなかった
恋を
人を想う気持ちを
恋をしたいなんて、夢にも思わなかった
あなたに出逢うまでは━━━━
1.告白 ━miyu said━
「おい湊、ノート貸せ」
あたしはこの男が嫌いだった。
こいつはドSで何考えてるか分からな い。
今は勉強を教えてほしいと頼まれ、学習室で二人で勉強しているところだ。
「うん、いいよー」
ノートを差し出す。
「サンキュー。おーさすが。 湊のノート分かりやすいなー」
「そりゃどうも」
「なー、いきなりだけど、俺の彼女になれよ」
「っ!はあ!?」
やっぱりこいつの言うことは理解不能。
「いや、マジで言ってんだけど」
まっすぐな瞳で見つめられる。
「えー、ホントにー?」
「うん」
「でもあたし恋とかよく分かんない。 だから、ごめん」
あたしがそう言うと、速水はフッと 笑った。
「絶対お前をオトす」
「あたしはあんたなんかに絶対オチな い」
夕日の差し込む学習室に固く誓った。
……………はずだった。
2.告白 ━yura said━
気付いたときには湊を目で追うように なっていて、気付いたときには湊のこ とが大好きだった。
湊の笑顔を、湊の全てを。
俺のものにしたい。
俺は諦めない。
いつか必ず湊の心を奪ってみせる。
キミに出逢って。