
面映ゆい眩しさを抱いて
https://www.instagram.com/rary_monokaki?igsh=MXR5b3kyYWtyeXAycQ==
感想はインスタから
#1
「付き合ってください…っ!!」
『…。』
あぁ。
またか。
自分はよく人に勘違いされる人間だ。
ただ友達として仲良くしているだけなのに
下心なんてなにもないのに
相手が勝手に勘違いして
こうやって告白という名の公開処刑をされている。
«ほら返事は!!?
こういう外野もうんざりだ。
どうだっていいだろ、ばかが。
『…ごめんなさい。あなたを友達としか見れません。』
ふと彼の方を見ると先ほどまで赤く火照っていた顔がみるみるうちに青ざめていく。
まわりの音も小さく、動揺の声が広がっている。
«ほんとつまんね…
«まじそれな。
«付き合ってあげればいいのにね。
«それなー、中学の時は誰でもオッケーしてたくせに。
私は彼もそんな声も無理やり遮りながら早足で誰もいない教室へと向かった。
『はぁ…。』
«付き合ってあげればいいのにね。
«誰でもオッケーしてたくせに。
じゃあなに?
私の気持ちを抑え続けてむりやり好きでいればよかったの??
中学の時はたしかに断りきれなかった人も多かった。
対して好きでもないのに付き合ってしまって後悔して後に振ったことも少なくなかった。
でもそれじゃあだめだと思った。
だから変わろうと、今みたいに自分の心に素直になっているのに。
あれもだめ、これもだめって。
じゃあ
じゃあ
じゃあ
どうしたらよかったの???
[麗華…?]
聞き慣れた綺麗な声が耳を通る。
『な、なずな…。』
彼女は私の顔を見て少し驚いている。
[冷夏大丈夫…?]
『…うん。大丈夫だよ。』
心配そうに自分を見つめている彼女。
きっと彼女はさっき起きた出来事を知っているからこそ余計に心配なのだろう。
なずなは私の昔からの親友だ。
こうやって昔から私のことを守って支えてくれる大切な人だ。
[…とりあえず私の家きな。話はたくさん家で聞くから。]
『ありがとう。…迷惑かけちゃってごめんね。』
[いいんだよ。迷惑なんかじゃないし。ほら、バッグ持って早く行こ。]
『、うん。』
足早に放課後の教室を後にした
面映ゆい眩しさを抱いて