地縛霊ちゃん
何も知らずに 部屋を借りた
そこはひとりか ふたり暮らしか
触れ合えないけど いつでも見てる
君が求めているのはここじゃないどこか
安楽の先っぽを恭しく燃やして
石の上にも三年 虫の死骸をゴミに出す
カタログが届いて 名前を知った
好きで生きてるわけじゃないから
好きなことだけでは生きていけない
向いてない仕事を続けてる
怠惰を 犠牲に 書き換えて
家賃は折半じゃなくていい
でも君が求めているのはここじゃないどこか
そこにいるのにいないみたい
僕も大して変わりはしない
だから君と一緒でいたい
ずっとここで悼んでいたい
そこにない重みが 感触が 冷たいベッドを軋ませる
しあわせが ただの息継ぎ それなら死んだ方がまし
誰も知らない向こう側
闇に溶け込む影の中
いいから早く連れてってくれよ
ほんとは俺の妄想なんじゃないの?
だとしたらこれも独り言だよね うける
ああ もしそうなら 怖えよなあ
そこにいるのにいないみたい
僕も大して変わりはしない
だから君と一緒でいたい
ずっと君と一緒にいたい
未練よ 永遠にとけないで
地縛霊ちゃん