『短歌修行4』

詠うときの四苦八苦は相変わらず。満足できないことばかり。あと少し!と粘った結果、言葉に溺れて彷徨うこともどんどん増えてきました…。短歌を詠むのにも体力がいる。気力がいる。救いなのは、これはだめな歌と判断できる水準が自分の中に確立されつつあること。創作における最低限の倫理を独自で持てるのは自信に直結する。まだまだ頑張ります。


たたみに落つ灰払い払い求むるは服すべき喪に合う靴下


《その人》
誰よりも近しく訊けば蠢いてことの葉深く詩人の喉は


《詩集》
鳥に見立てばさばさ開く 隙間風さびしブックエンド


その御心に抗う金具きいきいいう便り 主人亡き後


一角で窓ガラス小突く馬 尻目に庭掃き水を撒く遊び


生きる為 まなざし蟷螂鎌を上げをのこ真向かう暑気と激しく


誰そ彼 疎らなベンチ動物園うろつく獅子の柔いたてがみ


誰そ彼 扉は閉まり動物園汗ふく肌を労わる微風


乱れぬペースメーカー胸のうち尺取り虫はうわが身の長さ


誰これ?と訊かれ笑む朝ある自画像担いで渡る青の点滅


あいこでしょだから切れた糸電話 コップの底で固まる結び


あいこでしょだから切れた糸電話 星々摘んで引っ張る夜明け


《句集》
ぱらぱらと風に捲れて聴く言葉手ずから畳む時季の折々


一人しか守れないから日傘持つ姿で鳴らし置いてく風鈴

『短歌修行4』

『短歌修行4』

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-07-16

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