夏の短歌
君からのデート?の誘いもふいにして僕の心は僕も知らない
あじさいのようにまあるくあざやかにほとけさまはひとにおしえり
松やにのあと痛々し高幡のお山に明日の平和を祈る
十六の私をうざがらせた父のおしゃべりあれは、嬉しかったんだ
蟻んこと目が合うサイズで感じてる雨の上がった土の匂いを
もし俺がボケても最後まで言える名前はきっと君なのだろう
恋人を分ける川か母の乳か七夕にぼくひとりぼっちだ
満面の笑みを湛へて銃を撃つ者はなけれど勝ちて笑はば
初めての表彰されぬ中学のバドミントン部で三位なりしより
咆哮と砲丸投ぐるパリの空アブラゼミ鳴く孤独を込めて
蝉が鳴く聞く俺も泣くまた夏が何も果たせぬままに過ぎてく
夏の短歌