zoku勇者 ドラクエⅨ編 67

世界樹の真実

「モンモン、これ、何モン?」

「天使象だよ、台座の処又なんか書いてあるな、え~っと……」

「そっか、僕らには読めないよ、ジャミルにしか読めない
文字なんだね……」

虹の通路を渡って行った先、ぽつんと佇む天使象。像が乗っている
台座にはジャミルにしか読めない、文字が刻んであるらしく、仲間達は
側でジャミルを静かに見守るのだが……。

「……これは……、さ、最悪な腹黒、暴走ジャジャ馬、癖の悪い
ヘタレ……、凶悪モンスター2匹……、が集結した時、真のアンゴル
モアへの道、開かれし……」

「……オホン、ジャミル……、真面目に読まないと……、叩くよっ!」

(……聞こえてるんですケドっ!?ジャミ公っ!誰が凶悪モンスター
なのよっ!)

「シャーーっ!」

「自分をなんで入れてないのさあーーっ!」

「もうーーっ!!」

……何処までも暴けるジャミ公は、叩くよと言っている側から
アルベルトに引っぱたかれ、モンに噛み付かれ、ダウドに文句を
言われ、アイシャに殴られ、集団リンチされた。

「冗談なんだからムキになるなってんだよっ、お前らっ!!」

「「なりますよーーっ!!」」

「シャーモンっ!!」

「へいへい、真面目に読みますよっ、え~と、……星空の守り人の
像……、だとさ」

「此処を守っていた天使様の像なのかしらね?」

「かもな……、さ、先へ進もう……」

この像は神の国の彼方此方で同じ像を見掛ける事に……。
彼方此方探索し、もう一度、扉のあった方の場所へと戻り、
4人は休憩出来そうな場所を見つけ休憩中。泉があり、箱庭の
様な場所である。此処にも先程と同じ天使象が。休憩しつつ
此処からの景色を見ながら楽しんでいる最中である。のんびりと
寛いでいるとモンが何処からか宝箱を持って来た。

「モンモン、これ、むこ~の方に落ちてたモン♪」

「あ、モンちゃん、探して来てくれたのはいいけど、何があるか
分からないんだから、勝手に動いちゃ駄目よ!」

「……やけにオイラの頭軽いと思ったら、いつの間に全くもう……、
駄目じゃないかあ……」

「モォ~ン♪」

「でも、中身は何かしら?」

「……ゴールド肉まん……だといいな……」

んなモン、入っている訳ないだろうと思いながら、やっぱり
ジャミルは相当腹が減っているのだなとアルベルトは思い、
気の毒になる……。もう少し頑張って欲しいと今日は思うの
だった……。

「……盾だ、何か妙にお堅いっぽいな、どっちみち俺は盾装備
出来ねえから誰か使えよ」

「何だかアルが装備すればいい感じよ!」

「だ、ねえ、何かナイト様の盾っぽいし、アル、装備
しちゃいなよお~」

「いいのかい?じゃあ、有り難く……、僕も益々頑張らないと、
皆、有り難う!」

皆は新しい盾を身に着けたアルベルトを見守る。モンが見つけて
来てくれたのは本当に正統派さんにはぴったりの聖騎士の盾で
あった。

「よし、そろそろ動くか、またさっきの道に戻ろうや」

休憩は終了し、4人は再び扉を潜って、先程の道へと戻る。もう
大体の場所は殆ど見てみたと思ったが……。

「あの上の方、何か建物があるな、入ってみるか……」

頂上直前に見つけた謎の建物。中に入ると今度は石碑が3つ……。

「これは……」

「誰かのお墓モン?」

「違うよ、石碑だ、又何か書いてあるな……」

「ジャミル、頼むよ……」

アルベルトの言葉に頷くジャミル。3つの石碑に書いてあるそれぞれの
文字を読み始めた……。


我は空と海とを分かち空には星々を海には大地を浮かべた。鳥や魚、
獣、花々や木々、ありとあらゆる生き物を我は空に海に、大地に
創り……、最後に人間達を創った。人間より先に創られた生き物は
皆正しき心を持っていたが人間には正しき者と悪しき者があった。
人間達のうち悪しき者ばかりが栄え正しき者は極僅かだった。
悪しき者は正しき者だけでなく、鳥や獣全ての生き物を苦しめ
支配するようになった。神とは生きとし生ける者の全てを等しく
守り導く。全て正しき心を持つ者を、正しき者を守る為悪しき者は
滅ぼさねばならぬ……。


「……何よこれ、何だか怖いわ……」

「まるでやっぱり人間は殆ど悪の様な言い方だねえ、でも、この石碑に
文字を残した人って一体誰なんだろう……、やっぱり偉い神様なのかな……」

「モン~……」

「僕らには何とも……、ねえ、ジャミル……?」

「……」

「ウ~ン……」

「……ジャミルっ!?」

「きゃーーっ!?」

「ど、どうしたんだよおーーっ!!」

……石碑を読み終えたジャミ公……。いきなり貧血を起こし、仰向けで
後ろにひっくり返った……。と、其処にサンディが飛び出して来、妖精
モードになる。

「石版読めるのはいいけどサ、難しい内容で理解出来なくて頭が
混乱して倒れたんじゃネ?」

「ジャミル~、死んじゃイヤなんだモン~……」

「死ぬかアホっ!えーえー、どうせ俺はバカだよっ!……ま、この先に
進めばイヤでも全てが分かるんだ、行こう……」

ジャミルはよっこら起き上がると先に歩き出す。その後に続く仲間達。
此処もゴールが近い。……この先に待ち受けている物は何なのだろうと、
4人に緊迫感が出て来る……。そして、等々オムイ達の待つ、頂上の
神殿の中へ……。

「……うわっ、こ、こりゃ酷ぇ……、一体どうしたってんだよ!」

「な、何がどうなってんの?うわあ、ズタボロじゃないかあ~……」

「ひ、酷いわ……」

「……何て事だ……」

内部はボロボロで破壊され、崩壊しており、見るに堪えない惨状……。
これでは他に誰も居るのをもはや期待は出来そうになかった。
モンは怯えてダウドの頭の上へ。……崩壊した神殿跡の中に呆然と
佇むオムイ、アギロの姿が……。

「……爺さん、アギロ!」

「おお、ジャミル達か!来てくれたんだな、だがよ……、見てくれよ、
この有様を……、宮殿が滅茶苦茶だぜ……」

「一体……何があったのじゃ……、我らが神は何処に……?
……この大穴は……?まさか天使界を襲った邪悪な光は神の
国をも……!?神よ!お答え下され!!一体どちらに
いらっしゃるのですか!?神よ……!?」

「……爺さん……」

しかし、誰もオムイの呼び掛けに答える者はおらず……。静まり返った
神殿内にオムイの悲痛な声がこだまするだけである……。サンディも
慌ててジャミルの中から飛び出す……。

「ヤバイよー、これ、マジでヤバイよー!神の国なんか来なきゃ
よかった……」

「何があったのじゃ……、何故……神は儂の呼び掛けに答えて
下さらん……、しかも玉座の前の大穴は……?まさか天使界を
襲った邪悪な光が神の国をも……!?いいや、天使界数千年に
およぶ悲願神に漸くお会いする時が来たのだ、儂は諦めん……」

希望を持ち、必死で神に祈りを捧げる悲痛なオムイの姿にその場に
いる誰しもが沈痛な面持ちでオムイを見守っていた……。オムイや
皆の願いは届くのだろうか……。

「しかし、何て酷い有様だ……、神の宮殿にこんな事をするなんて
バチ当りなヤロウがいたモンだぜ!!ううむ……、とにかくまずは
何処かに神様がいらっしゃらないか宮殿の中を探してみるか……、
頼むぞジャミル、お前達もな……」

「ああ……」

「けど、これじゃあもう殆ど……」

「ダウド……、ほら、今は宮殿の中を探してみよう……」

「ダウド、一緒に行こうモン!」

「分かってるよお~……」

ダウドは余り気が乗らない様であったが、それでも何か希望を
見つけたかった。4人は手分けして宮殿の中を動き回る……。

「何よジャミル、何で私の方に着いてくるの?」

「いや……、オメーがどっか行っちまわないか心配で……」

「また子供扱いするんだからっ!もう~っ!!……あら?」

「どうかしたのか?」

「彼処……、あの、左上の階段の方から……、光が漏れてるみたい……」

アイシャの言葉にジャミルも階段を見上げる。確かに上の階の方から
微かに光が溢れていた。まるで皆を導き、道を照らしてくれて
いるかの様な淡い光。

「な、何かあったの?嫌だなあ~……」

「上だ、行ってみよう……」

「……イザヤールの頭の光だモン!」

「……うわあーーっ!!イ、イザヤール嫌らーーっ!!」

「モンっ!変な事言うんじゃないっ!ダウドも落ち着いてっ!
と、とにかく上に行ってみよう!……こらっ!」

アルベルトは逃げようとするダウドを捕獲、モンにはゲンコツ、最後に
ジャミルの方をジト目で見た……。おい、飼い主……、癖が益々悪くなって
来てるよと……。

「だから何で俺の方見るっ!」

……4人はギャーギャー騒ぎながら上の階へと進む。其処は……。
下の階と違い、まだうっすらと緑が溢れている不思議な場所であった……。

「どうなってんだよ、何か此処……、天使界で世界樹の木があった
場所と雰囲気が似てるな……」

「うん、落ち着くねえ~……」

……モンに脅されたダウドも深呼吸を始めた。……当たり前だが
イザヤールの気配は無い……。

「光はあそこよ……」

アイシャの言葉にジャミルは正面を見る。窓の有る付近の地面から
光が溢れている様であった。

「……イザヤールが埋まって無くて良かったよ……」

「モンモン!」

「……ま、また、君達は……、どうしてこう口が悪いのかな、全く……」

アルベルトも切れると非常に(毒)口が良く回るんである……。

「……おお、光は其処から漏れておったのか……」

続いて、オムイがよっこら、アギロ、サンディも階段を
上がって来る……。

「……なんと神々しい光じゃ……、恐らく彼処で女神の果実を
捧げるのじゃろう……、さすれば神がお姿を表してくれるやも
知れん、さあ守護天使ジャミルよ、女神の果実を捧げるのじゃ……

ジャミルはオムイから女神の果実7個を受け取る。一度イザヤールに
奪われ、再び手元に戻って来た果実。全て集めるまで本当にこれまで
色んな事があり、沢山の出会いがあり、別れもあった。……今、全てが
報われようとしている……。ジャミルは皆の顔を見た。仲間達も静かに頷く。

「ジャミル、さあ……」

「頑張って、ジャミル……」

「モンーっ!」

「へ、変な事起きないだろうねえ~、……あうう~……」

「ほらほらっ、さっさとするするっ!」

「……神さん、まだいるんなら……、どうか出て来てくれ、頼むっ!」

ジャミルは7つの女神の果実を捧げる。皆の想いと願いを込め……。

「何も……起きねえ……」

その場には静けさだけが漂う。女神の果実は確かに7つ捧げた。しかし何も
変化はあらず。神も何も出て来ない……。

「やっぱり……駄目だったの?」

「アイシャ……、大丈夫だよ、信じよう、でも……」

「も、もう、手遅れだったんだよお~……」

「ダウドっ、止めないかっ!」

「……だって……、こ、この……、宮殿の崩壊……、荒れ様を
見ればもう最初から分かるじゃ無いか!偉い神様まで悪いのに
やられちゃったんだよお~……」

「……ケンカ止めてモン~!」

「あ~あ、始まっちゃったしィ、醜い争い、アンタらみっとも
ね~っての、此処まで来てサ……」

アルベルト達も揉め出す中、オムイは膝を付き、がっくりと
項垂れるのだった……。

「……オムイ様、大丈夫ですか!?」

「運転士殿、すまん……、神よ……、女神の果実は確かに全て
捧げました、ですが、何故何も起きぬ……、どうして何も答えては
くれないのですか……」

その時、どこからともなく不思議な声が……。


……守護天使ジャミル……、そして長老オムイ……私の声が
聞こえますか……


「……だ、誰だい……?」

「その声は……!?あ、あなたが神なのですか!」


……いいえ……、私はあなたがた天使が神と呼ぶ者ではありません……、
人間の清い心から生まれた星のオーラは世界樹に女神の果実を実らせ、
天の箱舟を神の国へと導きました……、そしてジャミル……、あなた方が
神の国へと女神の果実を届けてくれたお陰で……私は……何千年もの長き
眠りから目覚める事が出来たのです……、さあ、……天使達よ……、
私の元へとお帰りなさい……


「何千年て……、……う、うわあっ!!」

皆の身体が目映い光に包まれる……。余りにも眩し過ぎてジャミル達は
目も開けていられず……。漸くやっと目が慣れた頃、うっすら目を開けると、
其処に見えた物、天使界の世界樹の木……。

「……!?こ、此処は……!」

「え……、ここって天使界!?アタシ達、戻って来ちゃったのっ!?
マジ!?」

「……おお、俺様の大事な天の箱船もちゃんと一緒に戻って来てるぜっ!」

「凄いわね、一瞬で天使界に戻って来れるなんて……」

「ああ、本当に……、……ダウド、しっかりしろっ、ほら、
目を覚ませっ!」

「……へろへ~ろ、らりるれろ~……、ふぇふぇふぇふぇ~……」

「アルベルト、心配無いモン、モンが目を覚まさせてあげるモン!
……アゴチンシャアーーっ!!」

「……んぎゃあーーっ!!」

「……あれは……、世界樹を沢山の光が取り巻いておる、一体何が
起きているのだ……?」

「……お帰りなさい、天使達よ……」

「あんたは……、誰だ!?」

「あ、あなたは……」

黄金の光を放つ世界樹の中から金の髪色をした美しい女性が姿を現す……。

「……私はあなた達が世界樹と呼んでいた者……、
創造神グランゼニスの娘……、……女神セレシア……」

「な なんと……、なんと……!」

「……創造神の娘、女神……、だって!?」

「あなた達天使が長い間人間界を守り星のオーラを捧げてくれた
お陰で……、私はこうして目覚める事が出来ました……、ありがとう……、
そしてジャミル……、一度は失われた女神の果実を取り戻してくれた事、
心から感謝しています……」

女神セレシアはジャミルにそっと手を差し伸べる。その優しい声を
ジャミルは前にも一度此処で耳にした事があった……。あの時、
世界樹の前で倒れた時、夢の中で……。


……人間達は……この世界に相応しくない……


「あなた達天使が長い間人間界を守り星のオーラを捧げてくれた
お陰で……、私はこうして目覚める事が出来ました……、有り難う……」

「……この、声……、あの時……」

「そしてジャミル……、一度は失われた女神の果実を取り戻して
くれた事、心から感謝しています……」

やはりジャミルはこの声に聞き覚えがあった。以前にこの世界樹の
前で倒れ、意識が朦朧とした時……、夢の中で聞いたやり取りの声に
間違いはなかった……。

「女神セレシア様……、とお呼びすれば宜しいのでしょうか?
あなた様は何故世界樹に……?」

「長老オムイよ、人間界を守る為です……、父なる神グランゼニスは
かつて……、人間は失敗作だと言って人間達を滅ぼそうとしました……」

「ひえーっ!?滅ぼすなんて考え、……こ、怖い神様だよおおーっ!」

「ウギャーモン!」

「……酷い……」

「確かに僕ら人間は……、取り返しの付かない事も、決して許されない
罪も犯す、けれど……」

「……」

アルベルトの言葉に銃弾で撃たれたボンの姿が再びジャミルの脳裏に浮かぶ。
地上には帝国の様な恐ろしい思考の集まった悪人達が君臨している事実は
避けられないと……。例え帝国を倒す事が出来たとしても、人の心の悪の
芽は止める事は出来ないのだと……。

「あ、あっ……、ま、また……」

「ジャミルっ、……どうしたのよっ、しっかりしてっ!!」

「……大丈夫さ、前にもこんな事があったのさ、此処でさ……」

アイシャは頭を抑え、しゃがみ込んでしまったジャミルを
心配する……。アルベルト、ダウド、モンも……。ジャミルの
頭の中に再びあの時のビジョンが流れ込んで来た。しかし今は
はっきりと意識もある。以前よりももっと細かく映像をしっかりと
感じ取る事が出来ている。やり取りをしている2人の男女……、
古老の王族の様な風格の男性、そしてもう1人の女性は今、
目の前にいる女神セレシアに間違いは無い……。

「……人間達はこの世界には相応しくない、人間は失敗だ、私は……、
人間を滅ぼす事にした……」

「……お待ち下さい!」

「何故……止めるのだ、人間には庇ってやる価値などないではないか……」

「私は人間達を信じます……、人間を滅ぼしてはいけません、どうか……!」

「……ええいっ、邪魔をするなっ!」

その瞬間、セレシアの身体が光に包まれると同時に、世界樹の姿に変わる……。

「……何のつもりだ!セレシア!!」

「お父様がどうしても人間を滅ぼすというのなら、私は自ら世界樹と
なりましょう……、世界樹となったこの身を元の姿に戻すのは人間の
清き心だけ……、人間はまだ清き心を失ってはいない筈です……。私は
身を持ってその事を……」

「……何と……、何と言う愚かな事をっ……!セレシア、お前には
分からぬのか?もし人間の心が邪悪であれば世界樹となった
お前は永遠に……、おおっ!何と言う事をしてしまったのだ、
お前はっ……!……いいだろうセレシアよ、お前のその愚かさに
免じて人間を滅ぼすのは暫し待とう、そして世界樹となったお前の
手足となる者を創り……、その者達に人間を見守り清き心の証を
集める役目を与えよう、我が娘セレシアよ……、お前が女神として
目覚める日は来るのであろうか……」

「……う、はあ、はあ、お、終わったけど……、よ、よくも
こんな重いモン、俺に見せて押しつけてくれたな……、勘弁
してくれや……」

「ジャミル……、大丈夫よ、みんないるから……、ね?」

「そうだよ、僕達いつも一緒だろ?君の辛さも受け持つよ、だから、
君が見た事も後で落ち着いたら話して欲しいな……」

「ああ、サンキュー、アイシャ、アル……」

「重いモン、……モン重くないモン……」

「……重いよお~~っ!!」

「……清き心の証とは、あなた方が星のオーラと呼ぶ物です……」

「何と……、儂ら天使が今まで集めて来た人間達の星のオーラが……」

「……父なる神グランゼニスに人間は邪悪ではないと信じて
貰う為、私は自ら世界樹となりました、人間の清き心から
生まれた星のオーラを世界樹に捧げればいつの日か女神の
果実が実る、女神の果実が神の国へ届けられし日、私は女神と
して目覚めるのです……、父なる神グランゼニスは世界樹に
仕える者としてあなた方天使と天使界を創りました……」

「な、何と……、何と……」

「……」

「人間達を見守り星のオーラを集め世界樹へ捧げる事……、
そして実った女神の果実の力で私を蘇らせる為にあなた方
天使は生まれたのです……」

ジャミルもオムイも騒然。天使達が作られた真実が今明らかに……。
天使達の誕生、即ち、全ては女神セレシアを目覚めさせる為に
天使達は創られたのである……。

「我ら天使にその様な役目があったとは……!な、ならば
グランゼニス様は何処におられるのですか!?よもや……、
あの神の宮殿を破壊した邪悪な光によって……、やはり神は
すでに……?」

「……父グランゼニスが滅びたのなら私もこの世界も等に
消え去っている筈、私には分かります……、神の国には
いませんが父なる神は確かに何処かにおられます、天使達よ……、
あなた方に伝えたい事があります……」

「な、何だい……?」

「神の国を襲った邪悪な光……、その源、……邪悪な者はこの世界を
滅ぼそうとしています、……時に忘れさられたガナンの地……、蘇りし
ガナン帝国城に邪悪な気配を感じます……」

「やっぱり……、黒幕は帝国か、行くっきゃねえな……」

「ああ、行こう!」

「ええ、頑張りましょう!帝国を倒さなくちゃ!」

「……ひえええーーっ!?」

「モンも頑張るモン!」

力強く声を合わせるジャミルと仲間達を見、セレシアは静かに
笑みを浮かべる……。

「守護天使ジャミル、……魔帝国ガナンへ向かい、どうか邪悪な
力から人間達を守って下さい……、あなたに道を開きましょう、
私の力を宿せし青い木があなたをガナン帝国城へと導くでしょう……、
邪悪な力が消え去りし時、……世界は救わ、……れ……、どう……か、
……ジャミル……、……人間界……を……」

「……セレシアっ?おいっ、返事してくれよ、……セレシアっ!」

それきりセレシアの声は途絶え、元の世界樹の木へと……。

「おお、セレシア様、お労しや……、我が身を掛けて人間界を守るとは
なんとお優しきお心じゃろうて……」

「……セレシア……」

「何千年もの間、世界樹の為お仕えして来て良かった、じゃが……、
魔帝国ガナンの所為でこの世界は天使界、人間界、全てが滅ぼされんと
しておる……、のう、ジャミルよ、お前だけが頼りじゃ、ガナン帝国城へ
行き災いの元凶を倒すのじゃ!」

オムイはジャミルの肩に手を置く。ジャミルも静かに頷いた。

「……分かってるさ、……愈々帝国と決戦なんだな……」

「こりゃ本当にスゲえ事になって来たな!人間界や天使界を
救えるのはお前しかいねえみてえだな、世界の命運が掛って
るんだぜ、いっちょ頑張ってくれよ!それじゃ俺は天の箱舟に
戻っているからな、準備が出来たら出発だ!」

「アギロ……、ああ!」

「ひゅ~、マジスゴイ事になってんね、ちょ!足震えてキター!
とにかく随分期待されてるみたいだし?頑張っちゃってよねー、
……んじゃーねっ!」

「……?あ、あ、アイツ……、何か変だな、……ま、いつもと
変わりねえか……」

ジャミルはいつも通りさっさと姿を消すサンディに呆れるが、
妙にサンディの様子がおかしかったのも何となく感じ取って
いたのだった……。

「よう、ジャミル……」

「アギロのおっさん、どうしたんだい?」

先に箱船に戻った筈のアギロが再び引き返して来る。何か話が
あるらしかった。

「……今回は帝国との正真正銘の決戦になる、長い戦いになるぞ、
今度はいつ此処に戻って来れるか分からん、ああは言ったが、焦らず
ゆっくり身体を休めて体制を整えておくんだ……」

「おっさん……」

アギロにそう言われ、ふとオムイの方を見るとオムイもうんうんと
頷いている。

「……分かった、もう少し天使界で休ませて貰うよ、皆とも話が
したいしな……」

「ああ、ゆっくり休んで来い、んじゃあ俺は今度こそ船の方に
戻ってるからな」

「あ、テンチョー、アタシも行きますっ!じゃーねっ!」

サンディはジャミルの中から飛び出すと慌ててアギロの方に
くっついて行った。

「ジャミルも皆も疲れたじゃろう、どら、儂も少し休ませて貰うよ、
お前達が就寝出来る部屋は用意してある、疲れたらいつでも身体を
休めなさい……」

「爺さん、サンキュー……」

「おじーちゃん、ありがとモン!」

「「有り難うございますっ!!」」

自分の部屋へと戻って行くオムイに4人は礼を言い、頭を下げるの
だった。

「はあ~、良かった、……これで少しはまだ生き延びられそうだよお……」

「……ダウドったらっ、もうっ!」

「まだ覚悟が出来ていないのかな、仕方が無いけど……」

「おう、ダウド、何ならオメーもう地上に帰っても別に構わねえぜ?
俺ら3人とモンだけで何とかなるからさ……」

「……はうっ!?や、やだなあ、ジャミルってばあ~、冗談だよお~、
オイラだって戦う覚悟は出来てるよお~、いやだなあ~、それに回復担当の
オイラがいなきゃこの先、駄目でしょつ!……あはは、はーははは!」

「……ダウド、わざとらしいんだモン、……アゴーーっ!!」

「……うぎゃああーーっ!!」

「は、ははは……」

わざとらしいヘタレはモンにアゴで疲れる。それを見たジャミル達は
苦笑い。しかしジャミルには思う処があった……。……決戦前、
ジャミルは仲間達に何も考えず自由に天使界で過ごして休んで
くれやと仲間達に伝えた。……その言葉通り、天使界の図書室が
あると聞いたアルベルトは顔を崩壊させて喜んですっ飛んで行き、
アイシャは小さな天使の子供達と戯れ一緒に遊んでいる。ダウドは……、
休ませて貰う部屋で既にグースカ就寝していた……。

「さーてと、俺はどーしましょーかね?」

「何するモン?モンと一緒にちんこぽんこ太鼓叩くモン?」

「……あのなあ~、……モン……、あのさ……」

「モン?」

ジャミルはそう言い、言葉を止めてモンの顔を見る。モンに伝えたい事が
あった。その時……。

「凄いわっ、女神セレシア様がご復活なさるなんてっ!奇跡よっ!」

「ああ、セレシア様が復活なされたんだ、きっとこの天使界を必ず
お守り下さる筈だっ!」

女神セレシアが復活した事は既に天使界中の話題となっており、
凄い騒ぎになっていた……。天使界にいる全ての天使達に女神
セレシアの声は届いていたらしい……。女神が復活した以上、
何も心配する事は無いと。天使界も滅びる事はないのだと……。

「ジャミル、本当にどーしたモン?」

「……何でもねえよ、お前の顔、何か肉まんみたいだなと思ってさ……」

「……シャアーーっ!!」

「いててて!噛み付くのはヘタレの頭だけにしとけってのっ!
ラフェットの処、ちょっと行ってみようぜ!」

「プンプンシャーモン!……ブッ」

「……こらあーーーっ!!」

……モンに噛み付かれながら、屁を放かれ、ジャミルは思っていた。
モンをこのまま天使界に預けて行った方がいいのでないかと……。
モンはこれまで本当に頑張ってくれた。自分が油断した所為で
モンがくっついて行ってしまった、あのカデスでの悲惨な
出来事を小さなモンにも目の辺りにさせてしまい心に傷を負わせた。
だが、皮肉な事にその結果、モンは又再び言葉を取り戻せる結果にも
繋がった……。そしてこれから自分達が向かう処は本当の帝国の本拠地。
一体どうなるか分からないのだから……。

「……いってぇぇ~……」

「モォ~ン……」

と、ぶつくさ考えていると壁に衝突……。ジャミ公の頭の上にいた
モンも当然被害を受ける。丁度現場を目撃した天使達は皆クスクス
笑って通り過ぎて行くのだった……。

「あら、誰かと思ったらジャミルじゃないの~、もう~、
気をつけなさいよ、アナタ、英雄さんになってもドジは
どうしても治らないみたいね!」

「ははは、はははは!ドジだなあ、ジャミルはっ!ははははっ!」

「はははは笑うんじゃねえっつーのっ!……いっ、つうう~……」

「ああ、ジャミル……、お帰りなさい!」

「ラフェット、丁度今、アンタの部屋に行こうと思って、あいちち……」

「話は聞いているわ、皆、女神セレシア様の話題で天使界中
持ちきりよ、本当に何処まで頑張るのよ、凄いわね……」

「いや、皆が頑張ってくれたからだよ、俺だけの力じゃねえって、
俺だけじゃ何も……」

「やっぱりあなた以外と謙遜するのね、好きよ、あなたのそう言う処……」

「……え?ええっ!?」

「あなたは私の大切な弟の様な物だもの、困った弟君ね、さあ、行きましょ、
私の部屋に、ゆっくりお話がしたいわ」

「……あ、ああ……」

ジャミ公はデコを晴れ上がったデコを抑えて立ち上がる。ラフェットは
くすりと笑うとジャミ公のデコにバツ印の絆創膏を付けてくれた。

「これじゃ俺、まるで三つ目が通るじゃんかよ、はあ~……」

「ラフェット、モンもおでこ痛い痛いんだモン……」

「あらら、モンもなのね?はいどうぞ、ぺたっ、もう痛くないでしょ?」

「モォ~ン♪」

モンもラフェットにおでこに絆創膏を付けて貰い嬉しそう。……こうして、
写楽保介バカ兄弟が出来上った……。

「さあ、座って、天使界特製の薬草茶よ、身体が温まるわよ……」

「はあ、ども、んじゃ遠慮無く……」

「はい、モンもどうぞ……」

「モン~?……」

ジャミルもモンもラフェットが淹れてくれたお茶に口を付ける。
……お茶を飲んだモンは口からお茶を吹き、カオス顔になった……。

「モンにはまだ早かったかな、でも、良薬口に苦しって言うでしょ?」

「モン~、にがにがイヤモン、イチゴのキャンディーがいいモン~……」

やっぱりまだモンは子供だなと思いながらジャミルはモンの頭を
わしわし撫でた。

「ふふふ、はあ、こうしてあなた達とお喋りしてると楽しくて
仕方が無いのよ、ねえ、あなたのお連れのアルベルトって言う子、
凄いわね、本当に熱心で本が好きなのね、図書館から入り浸りで
動かないわよ、天使界の本に興味があるなんて……、ね」

「いや、アイツは少々おかしいんだよ、なあ……、活字だらけの
本なんか、な~にが面白れえんだか、頑固石頭め、呆れるわ……」

「モン~?」

自分の事を棚に上げるジャミ公を見てモンは不思議そうな顔を
するのだった……。

「ねえ、ジャミル、今度の戦いは長くなるんでしょ、本当に帝国に
行くのだものね……」

「うん、どうなるか分かんねえけど、俺らはやれるだけ、出来る事を
するだけさ、先の事あれこれ考えてもしゃ~ねえし……」

「そうね、ジャミルらしいわ、ね、今度戻って来たら、あなた達の
お友達も一緒にこの部屋でゆっくり一緒にお茶して頂戴ね、約束よ……」

「ああ、だから早く戦いを終わらせるさ、絶対に……」

「ええ、……イザヤールの事、どうか宜しくね……」

「ぷ~ぷ~、モンモン……」

ジャミルは眠ってしまったモンを優しく撫でるラフェットの顔を見た。
必ず帝国を倒し、イザヤールも此処にふん縛って絶対連れて来るよと。
……帝国との最後の戦いの日はすぐ其処まで迫っている……。

翌日……。4人組はオムイを始め、多くの天使達に見送られながら
天の箱船へと乗り込み天使界を後にするのだった……。

「♪モォ~ン、モンっ!モンっ!」

「あ~あ、デブ座布団てさ、気楽でいいよネ……」

「結局……」

天の箱船の中を飛び回るモンを見てジャミルが溜息を付く。
やはり天使界にはモンを置いてこず、このまま連れて来て
しまった。モンはいつも皆と一緒にいられるのを望んでいる。
今ままでもずっとそうだったから。特にあの日、4人もモンも
バラバラに引き裂かれた日から……。例え危険な目に遭ったと
しても、モンはこれからもジャミル達と一緒に居るのを望むだろうと。

「モォ~ンっ!」

「……いてっ!モンっ、テメ、人の頭を踏み台にするなっ!……人が
珍しく真面目に考えてんのにっ!!聞いてんのかっ!!」

「ふふふ、モンちゃんたら、もう~……」

「……ふう、後どれぐらいで……、帝国領に着くんだろう……」

「……」

アルベルトの言葉に笑っていたアイシャも言葉を止めた。帝国に着けば
戦いが終わるまで後戻りは出来ないと言う事を皆、覚悟してい……。

「あああ、どうか、どうか……、無事に済みます様に……、で、でも、
願わくば、もう少しだけですね、……神様、帝国との戦いを延長……」

……ないのが約一名。跪いて両手を上げ下げ、何だか分からないが、
アーメンラーメンと、必死で祈りを捧げていた……。因みに今日は
酔う処の心境でないらしい。

「おう、もうすぐ帝国領だぜ、お前さん達、降りる準備は出来てるか?」

「……うわあーーっ!!」

「遂に……来たか……」

アギロの言葉に皆は息を飲む。……愈々始まる、帝国との最後の戦いが……。

「俺らは大丈夫さ、覚悟は出来てるよ……」

「……はわわーっ!だ、駄目でーっ!……!!!」

「アギロさん、此処まで本当に有り難うございました……」

でーっすの、すの言葉を最後まで言えないまま、往生際の悪いヘタレは
アルベルトに口を塞がれる……。アイシャも静かにアギロに向かって頷いた。

「よし……、俺はお前さん達を信じてるぜ、必ず生きて戻って来い、
けど、呉々も無茶はすんなよ、ジャミル……」

「わ、分かってるっての、俺の方強調して言うなよ、ったく……、じゃ、
行って来る!」

「よっし、いっちょ行きましょーかネっ!」

そう言いながらサンディは発光体になりいつも通りジャミルの中に消える……。

「モンも頑張るモンっ!」

4人組はアギロと握手をし、箱船を降りる。そして降りた先を見て騒然。
薄暗い空、大地は崩壊し荒れ果て、広がる毒の沼地……。人の姿が一切
見えない……。周囲は岩山に囲まれている為、普通の手段では絶対に潜伏
不可能な場所、其処がガナン帝国領である……。困難を乗り越え、強敵達が
待つ地、ジャミル達は等々此処まで辿り着いた……。

「いよいよ来たのね……」

「此処が、帝国なのか……」

「モン~……」

「あわわわっ!わわわーーっ!」

「……皆、城へ行く前に俺、寄って行きたい処があるんだ、いいかい?
モンもな……」

「うん、モン……」

ジャミルの言葉に仲間達は静かに頷く。向かった先は帝国本土に
近い場所、あの地獄のカデスの牢獄跡だった……。久しぶりに
訪れたあの場所……。ジャミルは此処で散った囚人仲間達に挨拶を
して行きたかった。……そして、ボンの遺体が眠る墓前で……。

「ボン、戻って来たよ、……遅くなっちまったけど、やっと紹介出来るよ、
みんな俺のダチだよ……」

ジャミルはボンの墓前で静かに目を瞑り、そして祈る。仲間達も一緒に……。

「ボンさん、初めまして、私はアイシャです、あなたのお陰で私達、
またジャミルに会えたの、ジャミルを守ってくれて本当に有り難う……」

「……えうう~、オイラダウドです、……オイラもちゃんと君に
会って友達になりたかったよお~、ぐすっ……」

「僕はアルベルトです、……ボンさん、僕達、決してあなたの想いは
無駄にしません、必ず帝国を倒してみせるよ、……どうか見守って
いて下さい……」

仲間達は顔も、見た事も、会った事もないボンの事を想い、
……彼の悲痛な死に心を痛め、そして、大事な友達だと
言ってくれた。ジャミルはそれだけで嬉しかった……。

「モンもボンが大好きモン、ず~っとず~っと友達モン……」

「アタシも彼の冥福祈ってあげちゃうッ!大丈夫よ、このジャミ公が
帝国をぎったんぎったんにやっつけてくれちゃうんだかんねッ!だから
ゆっくり安心して眠りなさいよネ……」

「ガングロ、お前まで、……サンキュー……」

「……や、や~だっ、何て顔してんのっ、ジャミ公らしくないよっ!
アンタはもっとエロ本見てる時みたいにアヘアへしてればいいんだ
ってっ!んじゃ~ネっ!」

「……おいっっ!だから一言余計なんだってのっ!こら、逃げるなっ!」

サンディは慌ててジャミルの中に再び逃走。ま、いいかと思うジャミル……。

「じゃあ、そろそろ行くか、ボン、今度又此処に来る時は……、きっと
いい報告が出来る筈さ、頑張るよ……」

「……」

ジャミル達はもう一度ボンの墓前で目を瞑り、誓いを……、祈りを
捧げるのだった……。


……ガナン帝国城……

4人の前に立ちはだかろうとする、強敵ゲルニック将軍、そして……。

「ホホホ、そろそろ此方に来る様ですね、命知らずのおバカさん
達が……、しかしゴレオンめ、あやつの所為で私は皇帝に大目玉を
食らったのですからっ!……クソは死んで当然です!本当に役に
立たない男ですね!ホ~ホホッホッ!」

「ゲルニック将軍、うるさいぞ、もう少し何とかならんのか?
その喋り方は……、まあ、此処に来るぐらいだ、子供と言えど
それなりの相手と見た、果たして我をどれだけ楽しませてくれる
のか……、楽しみだな……」

「……ホ~ホホホっ!気に食わないですねえ、どいつもこいつも!
ですが、ギュメイ将軍、あなたがいれば帝国のお守りは安泰ですから!
期待していますよ!私も皇帝陛下も……、ホーホホホっ!ですが今回
あなたの出番はありませんね、……何故ならっ、奴らは私の手によって
殺される事が確定しているからですっっ!!」

「……フン……、まあ、頑張ってくれ、期待している……」

……ギュメイ将軍と呼ばれた男は鬱陶しそうにゲルニックから目を背け、
自分の持ち場へと歩き出す……。ヒョウの様な外観を持ち、片刃の
日本刀の様な長剣を左手に握り、まるで侍の様な武人。彼はゲルニック、
ゴレオンと並ぶ、帝国三将の中でも最強と呼ばれる部類の男だった。曲者
だらけの帝国の中でも、己が信じた絶対的主君に忠実に従い、命を掛け
守り通そうとする、男気溢れる人物かも知れなかった。久々に自分を
楽しませてくれる相手とやらが一体どれだけの腕なのか、もしも戦いの
相手をする事が出来るならば……、彼の顔には密かな笑みが浮かんでいた。

zoku勇者 ドラクエⅨ編 67

zoku勇者 ドラクエⅨ編 67

SFC版ロマサガ1 ドラクエⅨ オリジナルエピ 下ネタ オリキャラ ジャミル×アイシャ クロスオーバー

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-05-24

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