『テンペスト』
始まりは些細な出来事
小石だったり蝶の羽ばたき
そんな小さな変化
『テンペスト』
渦中に居ると意外と穏やかで
冷静に周りが見える事もあるの
混乱を招いた癖にしれっとした顔で
まるで他人事みたいに笑う
君みたいな人はきっと人の痛みも
本当の意味では理解できない
理解できたなら死ぬほど苦しいはず
そんな風に笑ったりできないくらい
妄言を信じたばかりに可哀想
台風の目以外は忙しなく
慌てふためくことしかできない
君を糾弾することさえ忘れて
そう言う自分も涼しい顔で
あんな馬鹿げた言葉には惑わされず
けれど君の傍から離れることも
今となっては諦めてるんだ
でも女王様、滑稽すぎない?
悪し様に見下した彼女も
素っ気なく振った彼も
いつかは気付いてしまうよ
中身なんて何も無い
張りぼてで作られた表層の奥
笑っちゃうほど必死に取り繕った
君が隠したがる真の姿
ただの子供が強がってるだけと
確かにここに来てよく分かる
全部見えてしまってるんだ
醜く肥大した自己愛の全てが
「本当の君を愛するたった一人が今手を離す」
『テンペスト』