小指が離れたときから

小指を交えて
ゆびきりげんまん

覚えてる?あのときの約束。

俺は今、大学生で
彼女がいる。
とても可愛くて優しくて
リカバリーもできるとても
素敵な彼女だ。
だが、どこか見たことがある。
とっても昔..
だけどそんなこと聞くのは
少し気が引けてしまう。

少しそこにつっかえていると
彼女が寄ってきた。

やっぱり可愛い。
いい匂いが俺の鼻に伝わる。
まるで小動物のようだった。

うん?

彼女と別れを交わしたすぐあと
何か落としたことに気づいた。
すぐにその落とした何かを
拾い上げポケットにしまった。

どうやらひとつの紙きれだった。
開いて見ると紙切れではなく
写真だと気づいた。

自分が誰か女の子と
ゆびきりげんまんをして
笑い合っている

懐かしいと思える写真だった。

少し昔のことを思い出した。
まだ俺はガキで
田舎の小さな学校にいた。
彼女は小学生のころ
ちょうど同級生で
特別家が隣で少しの間
とても仲良くしていた。
だがすぐ転校してしまった
実は親の問題で転々としていた
とあの頃は聞いても
さっぱり分からなかった。
そこで転校する最後の日に
俺は確かこう言った。
「俺はお前のことを忘れない!
だからお前もそうしてくれ!」
そう言って
学校の大きな木の下で
ゆびきりげんまんをした。
その時ちょうど同級生が
隠し撮りでもしたのだろう。

この時、
俺は告白の意味も込めて
あの言葉を話した。
夏休みの入るほぼ前日だった。

いまだにしっかりと
告白ができていなかった。

もう少しで
夏休みが始まる時期。
もしもあの時の
ゆびきりげんまんを
覚えているのなら

明日、勇気を出してみよう。

小指が離れたときから

懐かしいね
この季節

小指が離れたときから

ゆびきりげんまん

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-05-18

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