優しさの循環

人から優しさを享けると
ああ、まだこの世界は捨てたもんじゃないな、と思う
まだ生きてていいんかな、と思える
それで、自分も人に優しさを与えたくなる
でも、何が優しさなのか考える
たびに、わからなくなる
優しさとは何だ
それを知らずに優しくなりたいと
渇望することは欺瞞なのだろうか
人が喜んでくれるなら自分が犠牲になることも厭わない
その精神が優しさの基礎なのだろうか
人から受けとった優しさを返したい
優しくされるばかりではいけない
それは循環されなければならない
哀しみを分けてほしい
あなたが必要以上に哀しみませんように
そう祈りながら優しさを哲学する夜に
私の優しさは始まる

優しさの循環

優しさの循環

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-05-16

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