とっぴんばらりの午後

その日
私は
ずっと行きたかった
沖縄おそばのお店にて
はふはふと
念願のソーキそばを
食べ進め

あ、とふと気付いた卓上の
薬味のコーレーグースを
数滴
振りかけるつもりが
うっかり
ドバドバと。

まあ
辛いものは好きですし
運転もないので。

そのまま
美味しくいただきました。

凄く
口中がサッパリする
不思議な薬味。

しかし
うーん
まあ
そんなこともないのでしょうけど
少しだけ
酔いが回ったような。

聞くとこによれば
島唐辛子を泡盛に
漬け込んだ薬味とか?

そして
駅のトイレで
歯磨きをし
次のお約束へ。

そして
ターミナルにて
バスに乗車。

満腹とほろ酔いなのか
少し
ウトウトとしていたところで

『次はぁ〜〇〇稲荷前、〇〇稲荷前』

のアナウンス。

へえ、ここにも
神社が・・

と夢うつつで考えていると
乗り込んできたのが

たぶん

うん

人間ではないかも。

すぐわかりました。

顔つき、挙動、なにより
その足跡がべったりと1人だけ
土塗れでベタベタと
小さく丸い特徴的な茶色を
残しながら進んでくる。

1人、という呼び方も
正しいのか
わかりませんけど。


そして
座ったところの床も
もはや
足跡だらけの真ッ茶色。

五月ですし
こちらの世界に擬えれば・・・

ひょっとして
新人の御使いさまかな?

これも
新人、という呼称が
正しくない気がしますが。

落ち着いてるフリを
しようとして
座ってなお足元を
バタつかせておられるのが
なんとなく可愛らしい。

しかし

流石、都会は違う、
移動にもバスや電車を
ご利用なのか、と。

パスモやスイカの
交通系ICカードも
葉っぱで代用できるよう
術も進化しているのでしょうか。

なんて。

うーん
馬鹿いうな、という人は
春の白昼夢とでも。

でもたぶん・・・。

まあ

ではまた。

とっぴんばらりの午後

とっぴんばらりの午後

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-05-16

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