退屈な幸福

僕には
きみを救えない
もっとも
救うなんてエゴなんだけどさ

きみは
不幸の中に身を置いている時が
いちばん息がしやすそうだ
けど、そんなのは生きているとは言えない
生きるとは不幸を手放す覚悟のことだ
それに気づいてほしい
ひとりでは難しいかもしれないけれど
いつか気づいてほしい

不幸だろうが幸福だろうが
生きるのが苦しいことには変わらない
小さな幸福を侮らない人間が
真に幸福な人間だ

きみに不幸は似合わない
きみに似合うのは
退屈な幸福だ

退屈な幸福

退屈な幸福

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-05-04

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