雑詠(五月)

境内に紫蘭の咲きしひとところ




新しき街 新しき夏の来たりけり




父と子の自転車競走 初夏の道




朝戸出や若葉を濡らす雨静か




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夏の月雲の明暗尽きぬまゝ




千姫のまつり賑わふ 薄暑かな




音も無く葉の落ちてきし竹の秋




松籟を一瞬聞きし夏の風




夏の夜の北斗七星見上げをり




雨に咲く 山法師の花白し




曇り空 探せど見へぬ揚雲雀




バラ園に主の声の響きをり




雲影の変はらぬ夏野見上げをり




十薬の花の白さに夕暮るゝ




餌台に雀待ちたる夏の朝




姫紫苑に花言葉のさりげなく

雑詠(五月)

雑詠(五月)

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日
2025-05-02

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