大きなお空

夫婦喧嘩のとき
子どもは何して過ごそうか。
子どもにとってはその時間
とっても嫌な時間になるだろう。

寝る時間っているの?

今日も1日僕は楽しい1日だった。
小学校の校庭で、
おにごっこやかくれんぼ。
やっぱりいい1日。
しかも今日の授業は隣の友達と
一緒にわいわい話せたし
本当に楽しかった。
こんな時間がずっとあればいいけど、
今僕は一番嫌な時間を過ごしている。

僕は今、寝ようとしている。

確かに大人の人が言うように
早く寝たほうが健康?や身長にも
いいらしい。
そんなのウソに決まってる。

僕に隠してお父さんとお母さんは
いつも夜でも起きている。
ずるい。
僕もずっと起きて、
ずっと友達と一緒にゲームやお菓子
を食べて楽しい時間にしたい。
でもどうしても寝てと言ってくる。

僕は長い時間天井の星を数えていた。
お父さんが怖くないようにと
暗いところで光る星を付けてくれた。
その星は今、僕の部屋にある
唯一のいろどりだと思ってる。
僕の部屋はなんたって
何も置いていない。
少しの戸棚とベッドにおもちゃだけ
おまけに電気節約だとお父さんは
電気を消して真っ暗にしてしまう。

僕はなんだか部屋が真っ暗だからか
だんだん空に
浮かんでいるような気分だった。
1人でふわふわって
星がキラキラって

なぜか泣いていた。
分からなかった。
今日は楽しい1日で自分は
幸福だったけど、
なぜか泣いていた。

お母さんとお父さん
一階から聞こえてくる声が
とっても怖いよ。
叫んでるような怒ってるような
なんとも言えない。

なぜかもうとっくに
太陽があいさつをしにくると
感じるほど長い時間過ごしたと
思った。
なんかとっても疲れた。
こんな暗い中で
一体何してたんだろう。


やっぱりずっと考えていたけど
寝る時間ってやっぱりいるのかも。
だって今、僕は

大きなお空の下で
ちょっといい気分だから。

大きなお空

しっかり寝ようね。

大きなお空

時間に追われてますよ

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-05-01

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