いっしっし
忙しげに首を振る
小鳥の関心、
非日常なさえずり。
透明の袋、ビニール袋。
勢いよく放って
ふんわりと落ちてくる。
期待外れな感じ。
いつも、いつも
ない餌は
沈黙を生む、
やり取りを生む。
ぱっと手を広げて
ほら、ない。
分からない?
分からないなら
ほら、と腕を伸ばし
胸を押し出して、ね?
何もない。
ここにはない。
なぜ?と傾く小首
なぜ?と鳴く問い
急に爪弾かれて、
奏でられる。
私は、
あなたの為に生きていない。
だから、と生唾を飲み。
続きを噛んで、
砕いて。
とんとんと跳ぶ、体躯
その小さな迫り方。
居心地は急に悪い。
汗も流れ出す。
トレモロ、
とは何だったか。
逃げ場を求めて
突飛なことを
どうでもいいこと。
そんなことを押し並べて。
日がよく入る縁側。
突き当らない角部屋。
二階で眠る妹。
まだ帰らない母。
安らかなる父。
ここにいる私、一羽の小鳥。
何だこれは?と
誰に言う?誰が言う?
じゃーん、とダウンピッキング。
塊みたいなエンドロール。
誤魔化せない私が、
いっしっし。
いっしっし。
精一杯に、震わせた、
いっしっし