死神の刃~must not be related to it~ 1章
闇の微笑み
――死神の刃――
それに少しでも関係してはならない・・・。
それに狙われたものは、すなわち死に至るのだから・・・。
●○闇の微笑み○●
そう、死神の刃の存在が知られたのはおよそ1ヶ月前からだった。
一人の女子生徒が殺されたのだ。何者かによって。
死因は斬殺。凶器は長く鋭い刃物。いわゆる刀のようなものだ。
殺された生徒の名前は『安藤 ミユキ』。
至って普通の女子生徒だった。
そして、『鈴村 カエデ』は、殺された女子生徒の幼馴染だった――・・・
【カエデ】
心の声:まだ信じることができない・・・。ミユキが死んだなんて・・・。
カエデは幼馴染が死んだという事実が、まだどうしても受け入れられなかった。
【カエデ】
心の声:事件があったあの日・・・。
いつものように帰り道で別れたっけ。
『また明日ね!』って言って・・・。
そして私は、ミユキが二度と迎えられない明日を
今、のうのうと生きている・・・。
・・・どうして・・・っ・・・どうして世界はこんなに不公平なの・・・っ!?
私たちはただ普通に、平凡に、過ごしてきただけなのに・・・っ・・・!!!
あまりに辛くて、悲しくて。
私はいつも泣いてたんだ。心と体、両方で。。。
【???】
「・・・カエデ・・・?泣いてるの・・・?」
【カエデ】
「・・・っ!ハル!」
声をかけてきた彼女の名前は『一ノ瀬 ハル』。
中学で出逢った、カエデの親友だ。
【ハル】
「違ってたら・・・ごめん。・・・ミユキのこと・・・?」
【カエデ】
「・・・うん、まぁちょっと・・・ね・・・。まだ、ミユキが死んだこと信じられなくてさ・・・。
もしかしたらイキナリ、ひょっこり帰ってきてさ。また笑い合えるんじゃないか、って思って・・・。」
【ハル】
「・・・・・・。」
【カエデ】
「・・・へへっ。まぁ、ありえないことだってわかってるよ。。。
・・・でも・・・っ・・・。ウウッ・・・ヒック・・・」
【ハル】
動作:スッ 手⇒カエデの肩
【カエデ】
「・・・ハル・・・?」
【ハル】
「・・・ねぇ、カエデ。多分これからもカエデはミユキのこと思い出しては悲しくなると思う。
・・・でもね・・・。忘れないで、カエデ。
・・・カエデは・・・さ・・・。・・・ひとりじゃないんだよ?」
【カエデ】
「・・・っ・・・!」
【ハル】
「だから、悩みはひとりで抱え込まないで。
・・・いくらでも聞くからさ。悩みだけじゃなく、愚痴とかでもね!(笑)」
【カエデ】
「・・・・・・。ハル・・・っ・・・。」
【カエデ】
心の声:精一杯の笑顔で
私を励ましてくれるハルは天使みたいだった。
・・・ねぇハル。私、ハルのこと大好きだよ・・・。ハル、本当にありがとう・・・。
【ハル】
「大丈夫・・・カエデはひとりじゃないよ・・・。」
【ハル】
心の声:・・・そう、ひとりじゃない・・・私が見張ってるから・・・ね・・・<ニヤリッ>
そんな二人の教室に、転校生がやってくるのは、
もう少し先のことになる・・・。
[...to be continued...]
死神の刃~must not be related to it~ 1章