三匹のねこちゃん 第三話
おはようございます。第三話のお届けです。最終話。これにて完結。どうかお楽しみに。
第三話
「三匹のねこちゃん」
(第三話 サンコ)
堀川士朗
「今日は産直のプリャシステムから食料が届くよ」
「お米も?」
「お米も」
「やったー!味噌汁かけてねこまんまにして食べよう!」
「ニコはそれ好きね」
「あたしはシンリャーヌードル食べたい」
「そんな辛いヌードルを食べるとおしり痛くなるよサンコ」
「ライスつけてラーメンライス」
「ほんと味覚が人間だよねサンコは」
「人間に変身するようになったら好みが変わったの」
「そっか」
「ラーメンライス~!」
「分かったよ」
「シンリャーヌードルの事考えたら汗かいた」
「バカか (*^^*)」
「もう夏だね」
「うん。夏祭り行きたいね」
「来週やるって。はなはな神社で、お祭り」
「行こう行こう!」
一週間後。
夜。
はなはな神社の夏祭りです。
イッコ、ニコ、サンコの三匹は人間に変身して、かわいい浴衣を着てはなはな神社に行きました。
色んな屋台が参道の両脇に立ち並んでいます。
「あ。たこ焼きの屋台がある!」
「オムソバもある!美味しそうだね」
「あたしはヨーヨーが釣りたい」
縁日屋台夜店の奥の奥の方におじさんがお店を出していました。
おじさんは魔法グッズを売っていました。
三人はすぐに分かりました。
そのおじさんが三匹に、人間に変身出来る魔法をかけた人だという事を!
おじさんは、実際はおじいちゃんくらいの年だったのかもしれません。
「あ!魔法使いのおじさん!」
「やあ、きみたち久しぶりだね。一年ぶりくらいじゃないかな」
「そんなになるんだ」
「おやおや。きみたちは、いっぱい魔法を使って人間に変身していたようだね」
「へへへ。楽しいよ」
「でもね。私の魔法は一年で切れてしまうんだ」
「え!そうなの!」
「今度変身したらねこに戻れなくなるよ。どうする?ねこのままでいるか。人間に変身したままでいるか。ふたつにひとつしか選べない」
「そうなんだ……どうしよう」
「一日よく考えてごらん。大切な、人生いや、にゃん生に深く関わる事だから」
「はい。そうします。ありがとうおじさん」
三人は、はなはな神社からねこねこはうすに帰って、考えてみる事にしました。
「ねこになるか、人間になるか。それが問題だね」
「う~ん」
「でも、あたし、篠山くんの事忘れちゃうのかな、ねこになったら。ううん。それでも良い。ねこに戻りたいよう」
「ニコ。そっか」
「あたしもねこに戻りたいな。自由なねこの暮らしに」
「イッコ……」
「サンコは?」
「あたしは人間のままでいたい。この方が気に入ったから」
イッコとニコは徐々にみゅみゅみゅとねこに変身しました。
もう人間には戻れません。
サンコは人間のままでいる事を選びました。
サンコは、ねこねこはうすで二匹を大事に大事に飼う事にしました。
イッコとニコはサンコの顔をペロペロとなめました。
「ふふふ。くすぐったいよう」
晴れた日は二匹のねこちゃんを連れて、サンコはお散歩に行きました。
今日も仲良しです。
おしまい
(2023年3月執筆)
三匹のねこちゃん 第三話
最後までご覧頂きありがとうございました。また少しお休みを頂いて、新作をお届け致します。