実存の疼痛

いつも窮地に立たされている、そんな気がする

自暴自棄に祈っている時が一番美しいね
決して得られぬものに手を伸ばすその姿が愛おしいよ
喉から手が出るほどに欲しいそれが美しいのは
手に入らない時間だけなんだね

祈れば祈るほど救いから遠ざかっていくように思うのは
気のせいでしょうか、天は淡々と試練を与える
気の遠くなるような、想像を絶する試練を
実存の疼痛(とうつう)

平静な情緒で祈ることなんかできない
祈れば祈るほど自暴自棄になっていく
救いと破滅が一致してしまう前に
誰か私の目を醒ましに来てくれませんか
ありえない救いを乞う私の喉を
搔き切ってくださる方はいないでしょうか

実存の疼痛

実存の疼痛

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-04-09

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