マイロードは自分のために

僕の近所にはカッコよくておもしろい大好きなお兄ちゃんがいた。
いつも友達と公園で遊んでいると突然現れて、僕たちと一緒に遊んでくれてた・・・・。


「にいちゃん!こっちだよー」
いつもと同じように近所のどこにでもあるようなちっぽけな公園で僕たちは遊んでいた。
この日は気温が温暖化上昇と言うこともあり、猛暑となっていた。
しかし、僕たちは若さを武器に元気に走り回っていた。

「ちょっまてよー、休憩タイムにしようぜ」
「えーーーー」
「兄ちゃんだらしない~」
「まだ鬼ごっこしようよー」
「・・・・鬱だ・・」
「まだまだ俺は走れるぞーー!!!」
僕たちのにいちゃんは一緒に遊んでくれるけどすぐに疲れてしまうんだよ、
だから遊んでもすぐに休憩とかしちゃうんだよねー。
「たく・・お前たちは元気すぎなんだよ。
 もっとその元気ややる気を勉強に向けろよな!!!」
「俺たち普通に点数いいぜ?」
「うん。僕なんて99点しか取ったことないよ」
「・・・・鬱だ・・」
「俺はまだまだ走れるぞーー!!」
「僕は平均98点ですけど・・なにか?」
 おにいちゃんの問いに僕たちはあっけなく答える。
「・・・・うっ・・・・まぁ~人生勉強で上手くいくことなんてそうそう無いからな!!
 勉強なんてできなくても生きていける!!」
こんな風に僕たちはおにいちゃんとの毎日を楽しんでいた。


「・・・にいちゃーーん、ボール見つかったー??」
「んーー、まだ見つかんねーー」
今日もみんなとおにいちゃんとで近所の公園で遊んでいた。
遊びは小学生の定番の遊び、野球だ。
けれどおにいちゃんが、俺の超必殺技!!天空大切り大回転って言いながら
僕が投げたど真ん中のボールを見事にジャストミートしたと思いきや、公園を飛び越えて隣の田中さん家のお庭まで吹っ飛ばしてしまった。

「もぅーにいちゃんが悪いんだぞー」
「・・・ごめんなさい・・」
「俺はまだ打てるぞーー!!」
「・・・・鬱だ・・」
「ボール見つかんないけど・・なにか?」
僕たちはこっそり、なくしてしまったボールを探すために
田中さん家のお庭に忍び込み、捜索活動をおこなっていた。



にいちゃんとの記憶は鮮明に覚えている。
あの頃は毎日が楽しかった。
毎日を楽しく過ごせることを当たり前と思えた。
けれどそれは、にいちゃんがいたからだと今だから思える。
その事を知ったのは、にいちゃんがある日どこかに行ってしまってから知った・・・。

けれど最後に会った日に僕たちにこんな言葉を残していった。
その言葉が別れの言葉とも知らずに僕たちは笑い返したけれど、
今思うとあの言葉はすごく大切な言葉なんだ・・・。


「自分の人生は自分のためにある
       自分が信じた道は何があろうと突き進め
                 それがどんなに残酷な道でもな。」



俺はあの頃から成長した。
にいちゃんが休憩中に話してくれた自慢話しの1つに
「俺は自宅警備員なんだぞ!」
などと自慢してきた時があった。
あの頃の俺達はその意味が分からず
「すげーーー警察かよーーカッケーー」
「にいちゃん警察だったの・・・すげーーー」
「・・・・・ポリス・・・鬱だ・・」
「俺はまだやれるぞーーー!!!」
「ふっ・・・なにか?」
などと言っていたが、あの自慢話しの意味が分かるくらいに俺は成長した。
にいちゃんはただのニートだったんだ。

俺はにいちゃんが残してくれた言葉を胸に抱え込み
今日までたくましく成長できたよ。
今では俺も立派な25才になった。



にいちゃんありがとな。


今では俺も立派は自宅警備員になれたよ(笑)

マイロードは自分のために

マイロードは自分のために

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-01-26

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