『I am yours』

初めての夜にただ頷いた
君の幼げな横顔


『I am yours』


出会った頃の怯えは影を潜め
柔らかに微笑んで横たわる
それはまるで儀式のように
この世で最も美しい光景だった

君の内に在る何か神聖なものが
この身を罪から救ってくれると
どこか確信めいた気持ちで
祈るように身体を重ねた

けれど君は余りにも
そう、私が忘れていただけで
余りにも無垢で純粋に
私という男を信じただけなのだと

愚かさ故にまた罪を重ねて
それでも幸せそうに君が
貴方でよかったと笑うから
もう罪など忘れてしまえとも

花の冠を作ってあげるという
まるで魔法の呪文のような
輝くもの全てを手にするような
その約束は私を眩ませた

これ以上輝ける呪文を
口にしないでくれと
くちづけすれば細い指が
私の髪を弄びくすぐり



「貴方となら花の冠さえ黄金に変わるでしょう」

『I am yours』

『I am yours』

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-03-10

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