『pain』

貴方はアタシを諭すけど
決して裁いたりはしない


『pain』


痛みに耐えかねて顔を歪めるのを
ドキドキしながら見ていた
きっと貴方は知らないけど
その姿に秘密の期待をしたのよ

どんな姿が美しいかは人それぞれ
貴方の場合はそれだっただけ
痛みと快感は似ていると
早々に悟る少女は少ないから

懸命に手を挙げてアピールしても
知らんぷりの貴方だけど
ひとたび扉を閉めて鍵をかけたら
強く抱き寄せられてもう夢中

キスの息継ぎがまだ上手くできない
指摘するくせにどうしてちゃんと
適切な方法を教えてくれないの
上手くできない拙いのが好きなのね

アタシはいつまでも生徒でいたい
貴方が望む優秀で弁えた幼い生徒
教えを乞うのが当然と見上げて
時に生意気に挑発するから

貴方の苦しみを知りながら
それを見ていたいが為に無視する
気休めの痛み止めでも無いよりは
そんな気持ちでキスに応えて



「到底釣り合わない等価交換」

『pain』

『pain』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • ミステリー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-03-03

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