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恋した瞬間、世界が終わる 第86話「メルクリウスの相違と相関関係」
善いがあるには、悪いがなければ成り立たない
ではどちらが先に出たのか
どちらというわけでもない
それは、たまたまの偶然
偶然というものは、恐ろしい
それで持って、決められてしまうほどの力がある
それは、光線が2つに別れたとき
たったそれだけ
それだけで2つの面が出来てしまう
そして、憧れ
憧れを持つことはもっと、怖い
それも別な面への憧れ
手を取り合う相手を間違えていた
人類は、人類同士で手を取り合うべきだった
『メルクリウス』
「メルクリウスは(錬金術でいうところの、すなわち、無意識の)作業(オプス)の始めに位置し、終りに位置する。メルクリウスは原初の両性具有存在ヘルマプロディートスであり、一旦は二つに分れて古典的な兄-妹の対の形を取るが、最後に「結合」において再び一つに結びつき、「新しい光」、すなわち、「賢者の石」という形態をとって光り輝く。メルクリウスは金属であるが同時に液体でもあり(「メルクリウス=水星」を象徴する金属は水銀)、物質でもあるが同時に霊でもあり、冷たいが同時に火と燃え、毒であるが同時に妙薬でもあり、『諸対立を一つに結びつける対立物の合一の象徴なのである。』」
「メルクリウス」の変容性と多様性は錬金術の根本表象であり、すなわち、「メルクリウス」は我々の無意識、心的世界の一つの表象といえる。
(ウィキペディアより)
この現実の生活が変わってしまうのなら、
もう、生きていたくない
好きな店がなくなる
好きな食べ物がなくなる
好きな服がなくなる
好きなメーカーがなくなる
好きな番組がなくなる
好きな芸能人がなくなる
好きな息抜きがなくなる
好きな居場所がなくなる
面影がなくなる
だから、もう、安楽死を選ぶ
こなれたタンゴ
かつての原型を留めているだけ
なぞっているだけの
面影を見ている
聴いている間
かつてのピアソラ を
現代の解釈によって
そこにはピアソラ の骨格だけ
忠実に、親しみをもって、懐かしさを残す
恋した瞬間、世界が終わる 第86話「メルクリウスの相違と相関関係」
次回は、3月中にアップロード予定です。