不本意な生の傀儡
おそろしく息苦しいこの世界で
僕らは自身をすり減らしながら生きている
生きている限り生きることの売春性からは逃れられず
僕らは知らず知らずのうちにまた大切なものを失くす
見過ごされてきた欠損は蓄積し
やがて取り返しがつかない規模の欠損になる
いま生きているのが奇跡といえるほどの
致命的な生を僕らは生きている、生かされている
こんな状態は不本意な生の傀儡というよりほかはない
僕らはほんとうにこのような屈辱的な生を望んだのか?
何か大切なことをはぐらかされているんじゃないのか?
こんな穢れた世界で生を押しつけられたことがそもそもの屈辱か
そしてこの生はみずからの選択の結果だという言説を浴びせられ
屈辱の上塗りだ
生きていればいいことがある?そんな綺麗事はもうたくさんだ
この屈辱を帳消しにするほどのいいことなどありはしない
ではなぜ僕らはまだ生きているのか?そんな問いももう意味を成さない
なぜなら僕らは生まれながらにして既に死んでいるから
不本意な生の傀儡