『おまもり』

指切りげんまんした
放課後秘密の時間


『おまもり』


どんなに時が経っても
距離が離れても忘れない
お互いを守ると誓った
あの指切りだけが全て

ハイビームに照らされて
何も見えないまま踊っても
些とも怖くなんてなかった
怖いのはそういう事じゃない

約束の契りはひとつひとつが
ダイヤ、サファイア、ルビー
どれも無くせない大切なもの
色褪せて尚輝く宝石たち

踊ってる時も長台詞の時も
確かに泣いていたけど
どんな事も誰の事も恐れはしない
現実はひと時の夢で幻だから

アタシが生きていたのは
あの放課後だけよ
小指を絡めて真実の誓いを立てた
それがあるから息ができる

いつ消えてもおかしくない灯火
それでも宝石たちは輝くから
アタシを生かす煌めきを絶やさず
ただ胸の奥で密やかに存在していて



「魂はあの場所に置いてきたの」

『おまもり』

『おまもり』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-02-17

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