未定

●アバン・夢・街中
  交差点、青から赤に点滅する信号。切り替わり走る車と人や自転車。雑踏と車の行きかう音。その光景を不思議な思いで見         
つめる小さい高橋歩(あゆむ)。推定2、3歳。ふと上を見上げると母の茜の笑顔。行こう行こうと繋いだ手を引っ張る茜。
歩の声「お母さんの声、街の音、人が行き交う音、人の喋る声。その全てが新鮮でなんだか不思議な気持ちに駆られた」

●推定〇年弱・滋賀県大津市・全景
T「推定〇年弱」

●なぎさ公園
  きれいでとても広い公園。ベンチで本を読んでいる高橋歩。近くで小さな女の子が転んだ。痛がる女の子。歩、そっと近づ
  き、手を差し伸べる
歩「大丈夫?立てる?」
女の子「・・・うん」
  立ち上がる女の子。膝の所を擦り傷が。
歩「待ってね、バンドエイド貼るから」
  バックからバンドエイドを取り、女の子の膝に当ててやる。
歩「痛いの痛いの飛んでいけ・・・これで大丈夫。もう、痛くないよ」
  バンドエイドをはがす女の子。傷が消えていた。
女の子「本当だ消えてる。お姉ちゃん魔法使いみたい」
歩「すごいでしょう。でも、お姉ちゃんが魔法使いじゃないよ。あなたのケガを直したい気持ちがそうさせたんだよ」
女の子「本当?」
歩「うん。今度は転ばないようにね。あ、そうだこれあげる」
  さらにバックから歩が取り出したのはミサンガである。
女の子「それなに?」
歩「ミサンガっていうの。まぁ、お守りだと思ってもらえれば・・・足出して」
  右足を出す女の子。足首にミサンガをつけてあげる歩。
女の子「か、かわいい・・・」
歩「お姉ちゃんからのお守りだよ。あなたにあげる」
女の子「ありがとう・・・」
  その時女の子の母親が走ってくる。かなり息があがっている。
母親「ちょっとちょっとどこ行ってたのよ。心配したんだから」
女の子「ごめんなさい。お姉ちゃんが助けてくれたの」
  歩を顧みる母親。歩に近づいて
母親「あの・・・ありがとうございました。助けていただいて。この子すぐ、とてつもない行動しちゃうんです」
歩「小さい子は活発ですからね。(女の子に)じゃあ、またどこかで会おうね。お名前なんて言うの?」
女の子「美憂・・・吉川美憂」
歩「美憂ちゃんか」
美憂「お姉ちゃんは?」
歩「歩、高橋歩」

●OP

●大津高校 全景

●校内・廊下
  周りでいろいろ話す男子生徒、女子生徒たち。そのうち、教師の石坂浩司が男子生徒と伴い来る。
「ねえねえ、誰?」「転校生?」「身長高ッ!」「うちのクラスかな?」チャイムがなり一斉に教室に戻る生徒たち。

●1年3組
  のプレート
●教室内
  ざわつく教室内。石坂がきて、
石坂「ほら席着け、お前ら」
  席に着き始める生徒たち。一部の生徒がひそひそと話したりしている。生徒の中に高橋歩の姿。
  石坂と並ぶ男子生徒、師岡賢治である。黒板に「師岡賢治」と記られる。
石坂「今日から一緒に過ごすことになった師岡賢治くんだ」
師岡「(ボソッと)よろしく」
  ざわつく生徒たち。
石坂「じゃあ、高橋の隣の席に」
  一瞬目が合う二人。すぐ反らす。俯き加減に歩いていき、隣に座る師岡。
歩「(小さくだがどこか冷静に)よろしくね」
師岡「ああ、よろしく」

●時間経過・校門前
  夕方。一人歩く師岡。師岡を見かけて追いかける歩。
歩「ねえ、師岡くん」
師岡「(振り向く)・・・」
歩「私と小さな事件を解決してほしい。っていうか組みたいんだ師岡くんと」
師岡「・・・何?探偵みたいなことすんの」
  歩き出す師岡。
師岡「お前、わけわかんねえ。それに探偵ごっこには興味ねえよ」
歩「ちっ、ちょっと待って」

●時間経過・カフェ・ラーゼス・外観

●同・内
  落ち着いた感じの店内。静かにクラシックがかかっていて。向かい合う感じて座る師岡と歩。
師岡「んで、まだ用か」
歩「話だけでも聞いてもらいたい(手を握りこぶしに)」
師岡「却下」
歩「は・・・」
  ーーー突然、歩の口を掌で抑える歩。何事かと見る歩。師岡、窓の外を凝視している。
師岡「・・・伏せろ・・・」
歩「!・・・・・」
  瞬間、突如銃弾の嵐が飛んできて、歩を守るように抱え込み逃げる師岡。歩、咄嗟の事でびっくりしていて。物陰に隠れる 
  二人。まだ銃撃は続いている。
師岡「大丈夫か」
歩「・・・なんとか・・・」
師岡「すまない、こんなことに巻き込んで」
歩「なんなの、どうしてこんな・・・・・」
師岡「今銃撃しているのはダラムっていう組織だ。いわゆる殺し屋」
歩「待って、なんで普通の高校生が殺し屋に狙われるの。師岡くんは何者なの?」
師岡「話せば長くなる。とりあえず脱出しよう」

●大阪のテレビ局・報道局
  走って来る記者の磯崎要。
磯崎「大変だ!大津のカフェで銃撃事件発生です」
  部長の田代が驚いた様子で指示を出す
田代「ほんまか。よしすぐ現場に向かって。磯崎中継頼むぞ」
磯崎「わかりました」
  ×    ×    ×
  局地下から車が発信

●時間経過・カフェ・ラーゼス・前
  すでに銃撃犯は去ったあと。ガラスや扉が銃撃によってめちゃくちゃになっている。その前に歩と師岡。
歩「・・・・・ひどい、ひどすぎる!こんなこと、こんなことって・・・・・」

●フラッシュ
  母茜の笑顔

●戻って
  警察車両が到着し、滋賀県警の警察官たちがそれぞれ散らばる。

未定

未定

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-02-15

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted