『温度』

白い息を吹きかけて
君が温めるアタシの手


『温度』


少しずつ色を取り戻す
この白い手を懸命に摩って
同じ温度になったねと
笑う顔が好きだった

どんな寒い夜も手を繋げば
涙が出るくらい温かくて
君のお家までの帰り道が
永遠に続けばいいと願った

同じものを見ても違う感想になる
アタシと君の違いが愛しくて
大事にしていかなきゃと思ったから
敢えて擦り合わせはしないと決めた

同じことを感じるなんて
到底無理な話って二人とも知ってるの
それだけで何もかも大丈夫と思わない?
そこが同じならきっと上手くいく

繊細な指が髪を撫で
柔らかな手が頬を包む
アタシって世界一幸せね
そう言って笑えばきっと同じ気持ち



「天使にはなれないから君を愛するの」

『温度』

『温度』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-02-10

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