『温度』
白い息を吹きかけて
君が温めるアタシの手
『温度』
少しずつ色を取り戻す
この白い手を懸命に摩って
同じ温度になったねと
笑う顔が好きだった
どんな寒い夜も手を繋げば
涙が出るくらい温かくて
君のお家までの帰り道が
永遠に続けばいいと願った
同じものを見ても違う感想になる
アタシと君の違いが愛しくて
大事にしていかなきゃと思ったから
敢えて擦り合わせはしないと決めた
同じことを感じるなんて
到底無理な話って二人とも知ってるの
それだけで何もかも大丈夫と思わない?
そこが同じならきっと上手くいく
繊細な指が髪を撫で
柔らかな手が頬を包む
アタシって世界一幸せね
そう言って笑えばきっと同じ気持ち
「天使にはなれないから君を愛するの」
『温度』