過ちの夜
脳漿がはじける
どこを向いてる?
星たちの結束が目に眩しい
星たちの破片が臓に刺さり
俺の眼はあらぬ方向を向く
俺の口は思ってもいないことを口走る
(救いの手を振り払っても振り払っても
また救いの手が俺の前に現れる屈辱が
おまえにわかるか?わからないだろう
日頃から救われたいと呻いているおまえには
救いを拒む人間が何を考えているのかなど......)
俺は星の瓦礫の山から這い出る
まだ息は続いている、そう息は続いている
そこらじゅうに屍体、屍体にかぎりなく近い生体
道を開けろ、俺が歩くのに邪魔だ
俺が過ちを犯すのに邪魔なんだよ
鮮度のいい殺意は
鮮度のいい脳漿からだ
過ちの夜