春の短歌

(奄美にて)
見上げればヒカゲヘゴの木 足元はナンテンショウを愛でつつ歩む
僕たちが余してこぼす楽しさを夜空にまいた笠利の星空

東京の夢の島にて見つけしは黒糖菓子のなつかしの味

君がおもい 秘めし言葉 僕がおもい 秘めし言葉 ふり重なる雪

ホッとしたい そんな願いも叶わない 乾季のツァボに蟻が一匹

永遠を指輪に誓った愛は今 いしを貫くほどに尖って

雨音は木枯らしの頃と変わらねど晴れ渡りたるうぐひすの声

何もないただの平日でも春はうぐいすが鳴き夜を明け放つ

おそらくは八十くらいで死ぬだろう 八十歳まで何もせぬだろう

本当に命が星より重いなら いじめの果てに死ぬ子などいない

ふるさとに背中を向けて歩き出す この足音がぼくの心音

春の短歌

去年の2月ごろから5月ごろにかけて作ったものです。
うぐいすの声が待ち遠しいです。

春の短歌

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-02-08

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted