ボルツマン脳


彼は、今、公園を散歩している。


空は晴れ、日差しはとても暖かい。

彼が息を吸い込めば、すがすがしい風が運ぶ緑の香りを感じて、季節の変化を知るだろう。

すべては、彼の世界。

これが、彼のすべて。

他のことは、関係がない。

なぜなら

彼は、すべてなのだから。

ゆえに

彼は彼である。




無から宇宙が生まれたように、遠い未来に現れるかもしれないボルツマン脳は、すでに在って、それは、この世界そのものかもしれない。我々も彼のように、その中で夢を見ているのかもしれない。もしも、そうなら、我々は、気づかないだろう。水槽の脳のように。

ボルツマン脳

ボルツマン脳

【意識は、宇宙の見る一瞬の夢】 誰かが言った。 無から宇宙が生まれるなら、既にすべてがそろっている宇宙から、人間の脳のように、意識があり、思考する存在が生まれる可能性の方が高いという。 それが、ボルツマン脳だ、と。 - 詩 - 宇宙 - もしも - ボルツマン脳 - 水槽の脳 - 意識 - 自我 - エゴ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-02-06

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted