『欲望』

ダークチェリーが好き
例えばラム酒に合うから


『欲望』


苦し紛れの愛にお腹が空いた頃
心の隙間に忍び込んできた
美味しい匂いに釣られて
いつの間にか奈落の底へ

アタシって異常かも
雁字搦めの執着が気持ちよくて
分かりきってる罠に飛び込みたい
全部投げ打って溺れてしまいたい

信じてるとかじゃなくて
一つ一つ仕掛けてくるのが
堪らなく熱を生むだけ
解放したくて慰めて欲しくて

貴方の一番熱いとこは
後でちゃんとしてあげるから
先ずはアタシを悦ばせて
蜜の甘さに驚いてみせて

狂いたい時に狂えるよう
合わせたリズムの歪さに
醜く上がる口角が淫靡で
まるで盛りのついた猫

発情の香りにどっぷり浸かり
息なんて忘れたわ
ここは最果ての楽園
溶けるダークチェリー



「混ざり合った香りの行く末は」

『欲望』

『欲望』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-02-03

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted