あ
一生に一度は誰かを愛してみたかった
一生に一度の愛ならば
生半可ではならないと思った
どうも、世の中には紛い物が溢れているようだった
金で買えるものとか、勘違いとか、覚悟とか、相互理解とか、自由とか、尊重とか、諦めとか、思いやりとか、
沢山ある紛い物の中でも、迷わず本物を選べる審美眼がもしもあるなら
僕はその役割を直感に託している
のんびりと、穏やかに、やさしい力で、どんなことでも等しく慈しんでいられるような
そんな感覚を愛と思いたかった
誰にもわかってもらえない自分のことを、孤独だとは思わない
いかなる対象をも持たない自動詞的な信仰心
この世に感謝するために生まれてきたのだと思いたかった
あ