一生に一度は誰かを愛してみたかった
一生に一度の愛ならば
生半可ではならないと思った
どうも、世の中には紛い物が溢れているようだった
金で買えるものとか、勘違いとか、覚悟とか、相互理解とか、自由とか、尊重とか、諦めとか、思いやりとか、

沢山ある紛い物の中でも、迷わず本物を選べる審美眼がもしもあるなら
僕はその役割を直感に託している

のんびりと、穏やかに、やさしい力で、どんなことでも等しく慈しんでいられるような
そんな感覚を愛と思いたかった

誰にもわかってもらえない自分のことを、孤独だとは思わない
いかなる対象をも持たない自動詞的な信仰心

この世に感謝するために生まれてきたのだと思いたかった

  • 自由詩
  • 掌編
  • 冒険
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-02-01

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