『悪い方法』

煙草を吸いながら咳をするから
呆れた顔で見るしかなかった


『悪い方法』


不良ぶった男の子だったり
何かを諦めた老人だったり
そういうのならまだ理解できる
何故どうしてと考えるのは貴方だから

空気の冷たさにアタシが咳き込めば
苦笑いする癖に自分はどうなの
言い出せない苦しいことを
どうにか忘れるおまじないは悪手

触れることすら憚られるような
間柄だから聞くことも助言も無駄ね
だからアタシにもそれらはやめて
他の女と同じにはなりたくない

触れることすら憚られるから
唇だけは許してあげよう
恋でも愛でもない何かによって
結ばれた二人なんだから

都合よく解釈してまた重ねるのは
良いことも悪いことも同じ
白い息も煙草の煙も大差ないわ
これ以上考える価値は見い出せない

酷い人だけど悪い方へと突き進む
破滅的な生き方が好きだった
アタシにはない部分に惹かれ
それと同時に強く軽蔑してた



「最悪のおまじないをかけてあげる」

『悪い方法』

『悪い方法』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-01-27

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