元の形

水の滴る真っ赤なリンゴ
風が吹き荒れ葉っぱは踊る
リンゴはゆっくり落下して
泥で汚れてしまったよ
鳥のくちばし虫の口
あらゆるところを突き刺され
リンゴに黒い穴が空く
そこからどんどん腐敗して
見るも無惨なリンゴの姿
人はこれをリンゴと知らずに
「ゴミ」だの「クズ」だの
言いたい放題
人はこれをリンゴと気付かず
何度も足跡つけていく
元はリンゴだったもの
今や変わり果てていて
人はこれをリンゴと思えず
「これが元の姿だ」と
自信ありげに風吹かす。

元の形

元の形

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-01-25

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