『仮面劇』
優しさと紙一重の無情さで
貴方はアタシを切り捨てた
『仮面劇』
最初のダンスで掌を合わせた
最後のダンスで唇を合わせた
貴方の痛みも傷も請け負うつもりで
他には何も要らないと共に退場
騙されていたとみんな言うけど
あの状況でどう騙し欺き
アタシに愛されたと言うの
二人の世界を壊すまであんなにも
控えめな微笑みも躊躇う指も
愛しくて仕方なかったから
自らそこへ飛び込んだだけよ
責任なんて問う気にもなれない
罪の所在も今となってはあやふや
何をするにも貴方が付き纏って
まだその匂いすら傍にある気がして
忘れろと無理難題を押し付けないで
想うことだけは自由なら
想い続けて待ち続けよう
心だけは誰にも止められはしない
貴方の苦笑を思い出して泣いても
残酷なまでに突き放した貴方の
心に広がる悲しみをどうして
アタシが気づかないと思ったの
他には何も要らないと言ったでしょ
仮面を外さないまま愛されたから
仮面を外さない貴方を愛したの
次は素顔を見せて欲しい
やっぱり愛しいわって笑うから
「仮面の裏がどんなに醜いとしても」
『仮面劇』