『ペテルギウス』
あの子可愛いと言うけど
人の好みなんて夫々で
『ペテルギウス』
あの赤いのがそうだよと
指差す君の横顔を
愛しいと思えば
また憎くもあり
夜空に光るそれに似た
エクボだってもう
アタシのものじゃないね
最初から違ったか
出会った頃の幼さを
悔やむくらい愛してる
それと同時に虚しくて
手の届かないものがあると知る
アタシの心に宿った灯を
すぐさま消し去る
君の残酷さを思えば
どうってことないのかも
冬の夜の空気は
君の冷たい言葉みたいに
アタシを傷つけて
なのに愛しいなんて
どんなに可愛い人を知っても
アタシの一番可愛い人は
君以外いないよ
それがどんなに遠くても
「遠いからこそ愛しいのだから」
『ペテルギウス』