『ペテルギウス』

あの子可愛いと言うけど
人の好みなんて夫々で


『ペテルギウス』


あの赤いのがそうだよと
指差す君の横顔を
愛しいと思えば
また憎くもあり

夜空に光るそれに似た
エクボだってもう
アタシのものじゃないね
最初から違ったか

出会った頃の幼さを
悔やむくらい愛してる
それと同時に虚しくて
手の届かないものがあると知る

アタシの心に宿った灯を
すぐさま消し去る
君の残酷さを思えば
どうってことないのかも

冬の夜の空気は
君の冷たい言葉みたいに
アタシを傷つけて
なのに愛しいなんて

どんなに可愛い人を知っても
アタシの一番可愛い人は
君以外いないよ
それがどんなに遠くても



「遠いからこそ愛しいのだから」

『ペテルギウス』

『ペテルギウス』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-01-06

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