贖罪機械

人を死にたくさせてきたのは自分なのに
なぜ俺は一丁前に死にたがっているんだ?
そんな問いが頭にこびりついて剥がれない
確かに俺は数多の人を不快にさせてきた
死にたくさせてきた、それは覆らない
紛れもない事実だ
だが俺だって好きで死にたがっているわけではない
俺は取り返しがつかないくらい頭が病んでいるんだ……
俺は開き直って生きているわけでもない
そもそも、俺の今のこの状態を「生きている」と呼べるだろうか?
俺は自分が生きているなどとは到底思えない
生きながらにして死んでいる屍としか思えない
そんな俺にできる贖罪はただ後悔して、苦しむこと以外に無い
痛覚が残っている限りは、痛みを受け入れる他は無いのだ
決定的な破局を迎えるその瞬間まで
俺は痛みを躱さず受け止める機械になるより他は無いのだ……
ああ、この俺のどうしようもない頭を、心臓の息の根を
眠っているあいだに止めてくれる人はいないか?なんてことも、もう言わないよ

贖罪機械

贖罪機械

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-01-04

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