未確認用語集 4

・秋の夏風(あきのなつかぜ)   今は動き出さないでいい理由を探して居ること
「秋の夏風、吹きつけ頻る静やかな日。世界はこのまま終ってゆくのか」



・色夢(いろゆめ、しきゆめ)   叶はぬ恋
「あの人に熱愛が発覚した。こんなことになるとわかってたのに。色夢は使ひ捨てのコンテンツなのか。誰かがそれで稼いで居るのだ」



・穏津(おんつ、をんつ)   内弁慶が本領を発揮する場所
「天国、即ちそれは穏津のことを謂ふ。気づいたらそこで屍となり朽ち果てるのだ」



・気減る(きべる)、気減り(きべり)   ナーバスになる
「暑さの所為か将来への不安の所為か、この夏の気減りは散々なものがあった」



・渦心到転(かしんとうてん)   立ち直れないやうな傷心も何れ峠を迎へる
「この世は広い。渦心到転。雲の高さや地の果てしなさより何度も何度も傷を癒し明日を生きる心にこそ世界を感じる」



・景理命正(けいりめいせい、けいりめいしょう)   自らの価値を知り更にそれを大切にしたり高めたりすることで自づと周りからも尊重され何より自分の価値を守ることに繋がる、また命や尊厳を大切にするといふことは自分と自分以外の人の両方の価値を知るといふことである
「景理命正とは主義思想ではない。佇まひである。然うして背筋を伸ばすがいい」



・好幻始祖(こうげんしそ)   目指す姿が幻に近ければ近いほど本人も伝説となる
「少年よ。好幻始祖だ。自分が今そこに見る幻を夢を馬鹿にしてはならないぞ」



・社交千里(しゃこうせんり)   二度と会ふ機会もなささうだが「また今度」とか言ふ
「社交千里を虚しく思ふか素敵と思へるかは全部キミの心境次第だ」



・整車棘道(せいしゃきょくどう)   何年かに一回のマイナンバーの更新は役所本庁に実際に行かないと出来ないこと
「整車棘道を行くわけだが、FAXとか言はなかっただけ役所も進歩してるんだなあ」



・多岐陥惑(たきかんわく)   充実してるわけではなく自分が迷ってる所為で選択肢が多いだけの状態
「多岐陥惑の罠にいざなはれ何時も最終的に微妙なものを手にしてしまふ」



・杜途巡恵(ととじゅんけい)   誰かがやめれば他の誰かが代りになる、誰かが諦めれば他の誰かが諦めない
「お前のその諦めの良さといふか根性の無さも世の為と思ふがいい。杜途巡恵に世界は回る。お前は世界に貢献して居る」



・通り虹(とほりにじ)   雨がいつかやむやうに虹もすぐに消えてしまふ
「通り虹ほど優しくて薄情なものを知らない。その後は丸で天国への道がひらかれるやうだ」



・儚見(はかなみ)   散るものとわかった上で花見をすること、恋をして居たりもうすぐ結婚しさうだったりで見る見るキレイになっていく芸能人らを然ういふのをわかった上で鑑賞してしまふこと
「儚見は捗るかい?然うさキミがこれからも生き続けるか独り身で居続けるかする限り、捗らないことはない」



・八暑少涼(はっしょしょうりょう)   温暖化後のおなじみの九月
「もはや八暑少涼といったところで、涼しげな瞬間は二も一もなくごくごく僅かで残りはどこかへ行ってしまった」



・発起千万(ほっきせんまん)   思ひつくまでは良いこと、思ひついただけでスゴイこと
「ハハハハ!発起千万!その発想にだけでも誇りを持ちなさい」



・ほほづらふ   ひとりで(特に寂しい場所で)思ひ出し笑ひをすること
「勤務先の平成初期の薄汚い便所でほほづらふ其のひとときばかりは人生が嫌になる」



・漫然登地(まんぜんとち)   生えるわけもない翼を欲しながら不本意に道を行く、ないものねだりをして不満さうに生きて居る
「二流は漫然登地と日々を生き、自分のことも誰かのことも貶めて居る」

未確認用語集 4

未確認用語集 4

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-12-26

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