『手紙。』
憎悪に塗れている君に小説は書けない。
怒りに塗れている君なら、小説はちゃんと書けるはずだ。
憎しみの毒におかされている人間に小説は絶対に書けない。
毒が毒を呼ぶ。
反吐が出るよ。
そんなんじゃこんな世界と同じだ。
毒から学ぼうとする君には小説は書ける。
ちゃんと書けるはずだ。
もしも世界を憎み苦しみ続けているひとがいたなら僕は言いたい。
書いてみないかって。
書いてから思う存分憎んだら良いって。
それからでもまったく遅くない。
世界はどうせ必ず終わるんだ。
憎み続けてできることなんて誰でもできる。
君である必要性はひとつもない。
そして小説は、誰でも書けないはずなんだ。
巧拙の問題じゃない。
人気の問題じゃない。
ちゃんと書けたかどうかってことだ。
ためしに書いて。ぼくに見せてくれ。
笑うなよ。
一緒に踊ろう。
地球の片隅で。
『手紙。』