え〜

こうやってその歳まできたのだろなぁ・・

ウチから最寄りの病院に
予約を取りに行こう、と出発。

目的はインフルエンザワクチンの接種

だいぶん前、
もう数年前にもなりますが
こちらにも
その経過を当時
書き込ませてもらいましたが

インフルエンザでは
冗談抜きで死にかけてますので
それ以来は毎年。

インフルエンザ罹患
+過労からくる不摂生の極み

に達しており
そうなりました。

なんせあの頃
月300時間オーバー

いえ
なんでもないです、ごめんなさい。

たぶん
私のこれまでの人生のなかで
最も死に近づいたのが
おそらくはその時です。

それはともかく

そちらの医院は
7時から当日予約開始、
もう明るいですし
自転車でもすぐですが

あ、それならついでに
精米もしてしまおうと
思い立ち
ジムニーで向かう事に。

精米を済ませても
まだ30分以上前に到着
病院の前にはまだ
誰も並んで居ない。

そもそもまだ
受け付けてないし
扉も閉まっている。

早すぎたか、と思いつつ
まあ
30分ちょいくらいなら

と、
文庫本を片手に
コート姿で扉の前に1番乗り。

そして
20分ほど経過。

受け付け時間まであと10分ほど
わらわらと
私の後ろに列が出来て行く。

で、
扉が開き

おはようございます!

扉をくぐり抜け
ノートの1番上に書き込もうとした瞬間

『おれ寒いからさ
車の中に居たんだけどっ!!
俺のほうが先だよっっ!!!』

・・・?怒鳴る声が。

70手前くらいの
男性が走り寄ってきます。

無視して
診察券を投入し
用意された
順番ノートに名前を書き込もうとすると

『駄目だよ!割り込むなよっ!!
常識ねぇなあ!!』

いえ、これも同じ人が
怒鳴ってるんですからね
当然の如く病院内なのに
マスクもせず唾を飛ばしながら。

私始め
列を為す一同
唖然。

まあ見た感じでもう
格好からして
マトモそうには見えません。

なんか
ひと昔前の貧乏そうなヤンキーの
チンピラみたいな。

そして私は思いました、
あっ、これ
たぶん・・・

『だからさー
俺ゃあ誰より早く来て
車ん中に居たんだっつってんの!!』

・・・

これ困りますよね〜
私だけなら
まあもう
キ◯ガイだし譲るのも
やぶさかではないですが
そうすると

私の後ろに立ち並び
どうするのかを
窺っている後ろのジジババ達も
全員
抜かされるのです。

そして
その全責任が私に降り掛かりかねない。

あー、この列中の誰か
一言
雷のような
御意見を発してくれないかな・・・。


後ろを振り返ると
全員
何もいう気配がない。

ので
私の真後ろに立つ
お祖母ちゃん
推定80オーバーに

―――――――どうします?

と尋ねると
完全無視。

無言の体勢を崩す気配がない

そのさらに後ろ
三人目女性推定60に
視線を向けると
サッと目線を外す。

『ほらあ!コッチは忙しいんだよ!サッサと
ノートよこせよ!!』

そして
チンピラは強引にノートをもぎ取り
己が名前を記して行きました。

これ良いの??

ホント
世の中
やったもん勝ちなんだなぁ、と。

以前にも
まあ
その時は病院では無かったですが
同じような事があり
この時は
避けたものの
凶器にもなりかねないものを用い
手を上げてきたので

組み伏せて
駅前の交番まで
すぐの場所だった事もありますし
駅前の防犯カメラの位置も
把握済なので
この角度なら充分に録画されているな、と

そのまま引っ張って行ったら

交番には
【パトロール中】
の御知らせが表示されており
お留守

いや!
このラッシュの時間
この駅前より
問題が起きそうな場所他にある?!

なんのために
駅前のここに交番あるの?!

と思い
唖然としながらも

【緊急時にはこちらへ】

というボタンが。

しかし
それを押すにも
両手がふさがっておりまして。

どなたか!押して下さい!!

とお願いするも

その駅前には
かなりの通行人がいましたが
まるで
異次元に迷い込んだかのように
誰にも見えて居ないようで
一同完全無視。

あーもう、と片手を伸ばした

その瞬間
拘束を解かれ
逃げられてしまいました。

これもう

漫画みたいに
その男を誰か捕まえて下さい!!

なんて
行き交う人々に言ったって
する訳ないでしょ。

ボタン押すのだって嫌なのでしょうから。

もう
馬鹿らしくもなりつつ
立ち尽していました。

すると

その一部始終を見ていたのか

見知らぬ
お婆さんから
いきなり叱られ

『あのね!あなたそんな事してたら
今に殺されちゃうわよ、そんなの
知らないフリしてれば良いのっ!!
なんて危ない事するのっ!!この世の中は
怖いんだから!!刺されちゃうわよ!!
もうっっ!!!あんな事に命を懸ける価値なんて
ないでしょ、だから皆は何も言わないの!!!
そういうの誰にも教わって来なかったの!!!!』

・・・

まあ
当たり前ですが
お婆さんのその火のついた様な
怒りの言葉連発には
まったく
腹が立ちませんでした。

正しくその通りだな、と。

あの時はどうかしていました。

私の為を思って言ってくれて
いるのはよく分かりましたし
それこそ
見知らぬ他人に
そこまで教えて諭すリスクを
いま
そっくりそのまま
お婆さんは背負いつつ
訓示してくれていたのですから。

いやー
この社会は
本当にどうかしています

けど

それを言ってしまうことさえ
封じられた世界なのだなぁ、と。

9時31分
はい、帰宅。

今年も無事に接種してきました、
今シーズンは
インフルエンザワクチンの接種も
事前予約が必要となる場合が
多いそうで。

そんな中
こちらの病院は
今日みたいな朝の予約さえ済ませれば
今のところ
前日以上の予約は要らないそうで
助かりました。

で、
先ほどの続きを少し
またちょっとありましたので。

待合室に行くと
あ、いました
チンピラジジイ。

マスクもせず
ゴホゴホやってて
注意され

『あっ、俺忘れちまったよ』

みたいなやり取りをしてて
看護師さんからマスクを手渡されていました。

で、そのまま
クソくだらない
チンピラ年寄り独特の訳の分からぬ
一方的に話し掛けるような事を
看護師さんに延々と。

アーハイハイ

みたいな受け答えは
流石。

常連なのかもですな。

で、
私より先に診察室へ入り
その後
私も診察室へ

接種を済ませ
待合室に戻ると
まだ居る!!

きったない
ナップザックみたいなの椅子に置いて
支払いをしてました。

会計している窓口の直ぐ側に
置いてあるので
たぶんチンピラのです。

で、支払いを済ませ
そのまま
玄関に向かってあるき出しました。

すると

私の横に居た
如何にも人の好さそうなお婆さんが

『旦那さん!旦那さん!!
このお荷物旦那さんのじゃないの!?』

お婆!
余計な事を!!


正直思いましたが。

『おっ!そうだ俺んだあ!もう72だから
ボケちまったのかな!!』

ねっ!ホントだよね〜


心の中で激しく同意。

で、
次の会計で呼ばれたのが
マチさーん

早いな、と思いつつ

はい!
と即座に
同時にお返事する
私と隣りのお婆さん

で、看護師さんも

今度は苗字だけでなくフルネームで。

マチさーん、マチミサキさーん

はい!!✕2

とまた
同時に声を上げる
お婆と私。

あらあら
お婆さんもお歳かしら、と
正直おもいました。

すると
一瞬
間が空き

看護師さんも
あっ?!
みたいな表情に。

同姓同名だったのですなぁ!!

漢字は違うみたいですけど。

こんなこと
あるんですねぇ・・・。

いやまさかしかし
これ
医療ミスに繋がらないよな、と
一抹の不安がよぎります。

一応
念の為
お婆さんか看護師さんに
治療内容を尋ねるべきか

と思いつつ
まあ
そんな事はあるまい

と流す。

ちな
会計はお婆さんが先で
次が私でした。

で、玄関を出て
ほんの少し話したのですが
お婆さんは処方箋を貰いにきただけみたいで。

あー、
それで
会計が前後したのか、と。

まあそれは
良いのですけど。

で、
これも
我ながら余計な事ですが
お婆は会計を済ませたものの
素早い動きは出来ず
追いついてしまいましたので
私が扉を押さえ玄関を抜けさせ
二人で歩きながら
お婆さんに同姓同名のよしみで
予約時の顛末のグチをつい
手短に語ると

『あーそういう人居るわなぁ、色んな人居るから』

と。

そこへ
また
向かいの薬局から
チンピラジジイが。

あっ!?
そうか
クスリ貰った時間分
まだ去っていなかったのか?!

そして
私と二人で談笑しながら
歩くその横を
お婆さんの先ほどの親切など
何も無かったかのように
頭ひとつ下げず
貰ったばかりであろう
マスクもせず
くしゃみをしながら
スタスタ歩いていきました。


なんだこのはなし。

と、お思いのあなた!!

わたしも
そう思います。

ではまた!

え〜

立ち去るチンピラの背中に
小声で【ザキ】と唱えるのが精一杯。

とりあえず
ノートに書き込まれた名前は
暗記しましたけどね、
かなり汚い字でしたよ。

え〜

ファーストペンギン?

  • 随筆・エッセイ
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-11-21

Copyrighted
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