ストロベリーヘッドの子供達 2

 ストロベリーヘッドの子供達。見開いた瞳、つぶらな、愛くるしい、そして絶望的なスマイル。ティラノサウルス・レックスを超越したい、その言葉にわたしは全身が震えた。何故だかわからないが想像を絶するほどの歓喜に満ちたのだ。あの体長15メートルもの優雅なる姿。その存在を超越する、それはあらゆるものを統べる圧倒的なパワーを持ち、ある種の解放と消滅を与えた。わたしはゆっくりと立ち上がり、重厚なドアに手をかけて外部へと出た。外はクリアな空気がうねるように流動していた。沈みかけた最後の太陽がはっきりと浮かび上がる。残されたマフラーを拾い上げて巻き直すと淡々と歩き出す。いつかまた、わたしは空想の宝島を徘徊するだろう。何故ならば反旗を翻し戦闘を選択したからだ。アイスクリームの味が口の中に残っていた。「〜お前が秩序を乱すからだ」そうかもしれない。わたしは欠落した回路ゆえに秩序すらも保てはしないのだ。そして彼等もまた。本来、同胞殺しのエネルギーは様々なものを生みだす力を持っている。戒飭する者があれば滑らかに歯車は稼動するのだと思う。わたしは視線を空へ向け、そして瞬間、目を見開く。地面と空の境界線から蛍光イエローの瞬きが出現した。鮮やかな閃光の集結がジャンピングする。UFOはジグザグに飛行しストロボのように強くフラッシュした。

ストロベリーヘッドの子供達 2

ストロベリーヘッドの子供達 2

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 青年向け
更新日
登録日
2024-11-17

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted