家出のすすめ

家出のすすめ

試しに気球に乗ってみたとして
あの子の家の屋根は何色だったか

信号機の頬や鼻や
見える限りのサーチライト

近づけるのは太陽ばかり
嬉しそうにするのはボウと呟く熱のみで

もちろん今
気球を見上げるばかりの芝の家で
失礼だけど宇宙で粉々になる風船
それとどこが違うのか

遠い遠い空のこと
だから気球も宇宙船

でも感動している
地上の星のこと
洗濯物が揺れているベランダでのこと

青にひずむ夕焼け
街灯がズズッと灯る
バレないための光でそれは誰と夜のため

明るいうちに家出しよう

家出のすすめ

家出のすすめ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-11-14

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