なっちゃんとおもちゃのチャチャチャ

なっちゃんとおもちゃのチャチャチャ おもちゃのチャチャチャ🎵おもちゃのチャチャチャ🎵

なっちゃんとおもちゃのチャチャチャ

おもちゃのチャチャチャ🎵おもちゃのチャチャチャ🎵
なっちゃんの最近のお気に入りの曲、「おもちゃのチャチャチャ」
いつも口ずさんでいました。
空にキラキラお星様🎵みんなスヤスヤ眠る頃🎵
この歌詞を口ずさんだ時ふと思いました。
もしかして、夜になったら、私の持っているおもちゃも遊んでいるかも。そう考えたら、もう止まれません。なっちゃんはお母さんに、今日は一晩中起きていると、言いました。
まあ、どうしたの?とお母さん。そこで、自分のおもちゃが、遊んでいるところを見たいと伝えました。なるほどねえ、その気持ちわかるなあ、お母さんはそう答えました。
じゃあ今日は起きてようか?とお母さん。
やったーと、なっちゃん。
夕御飯を食べて、いつものナイトルーティンを済ませた後、お母さんと一緒に、いっぱいいろいろな話をしました。ところが、なっちゃんが気づくと、とっくに朝が来ていて、スズメがちゅんちゅん鳴いていました。
私寝ちゃったんだ。
なっちゃんは少し悔しい気持ちが起こりましたが、まだまだと、今度は、お姉ちゃんに相談しました。
お姉ちゃんは、相談に乗ると、こう言いました。怪奇現象を見るならやっぱり丑三つ時ね、と。
怪奇現象って何と、なっちゃんはたずねました。
それはね、お化けが見れるってこと、ちなみに丑三つ時は・・・
なっちゃんは思いました。お化けじゃなくて、おもちゃが遊んでいるところなんだけど、と。でもまあ、おもちゃが遊んでいるところが見れればいいかなと思い、お姉ちゃんに困り事を伝えました。
夜起きていられない、どうしたらいいのか、と。
するとお姉ちゃんは、なっちゃんの期待を裏切らない、素晴らしい答えを出してくれました。
そうねえ、目覚まし時計を使えばいいと思う。
目覚まし時計!!それって夜使ってもいいの?
なっちゃんはびっくりして、聞き返しました。
もちろんよ、とお姉ちゃん。
その晩、お姉ちゃんが、深夜の2時に時計をセットしてもらうと、お姉ちゃんと一緒に寝ることにしました。
お姉ちゃんは、おもちゃが勝手に動いている動画を撮ることができれば、バズることなしだわぁーと、何だかなっちゃんが考えていることとは別の方向で期待をしている様でしたが、なっちゃんは良くわからなかったので、気にしませんでした。
ジリリリリリリー
深夜の2時、けたたましく時計が鳴りました。お姉ちゃんがバッと起き上がると、なっちゃんの肩を揺さぶりました。
ミッション開始よ
なっちゃんは、眠くてたまりませんでしたが、お姉ちゃんから、おもちゃが勝手に動いているところを見る事、それをミッションと呼ぶの、と言われていたので「目、覚めろー」と何度も思いながら、目をぱちぱちしたり、ゴシゴシしたりしていました。
その横で、お姉ちゃんは最近父親から買って貰ったアイフォンを自分に向けて
「これからおもちゃが勝手に動いている現場を目撃したいと思います。」と、言っています。
何だかテレビで見る様な人を演じているなあと思いながら、やっと起き上がりました。
行くわよ、動いているところを見ても驚かないでよ。と、お姉ちゃん。
わかった。と、なっちゃん
2人は寝室からリビングへ灯りもつけず、アイフォンから漏れ出す光だけで向かって行きました。
来たね。うん。一気に行くよ。うん。
ばっと勢いよくドアを開けると、そこには静まり返ったリビングが広がっていました。しばらく2人はじっと目と耳を精一杯働かせて何か動いていないか感じ取ろうとしましたが、何も起きていませんでした。
やっぱねー。アイフォンを操作しながら、この科学全盛のご時世に怪奇現象はおこらんかー、と言いながら寝よ寝よとさっさと寝室に戻っていくお姉ちゃん。なっちゃん先行くよーと言いながら。
なっちゃんは、自分が数えられる10秒だけ待ってみようと、心の中でゆっくり数え始めました。7、8、9のとき、お父さんの気配を感じました。案の定お父さんで、どうした、こんな夜遅くに?となっちゃんに聞きました。
私ね、「おもちゃのチャチャチャ」を聞いて、どーしてもおもちゃが遊んでいるところを見たいの。
なるほどなあ、それでこんな時間に目覚ましをかけていたんだ
うん、みんなスヤスヤ眠る頃だから。
うーん、そうかあ。でも3人も起きていたら、みんなスヤスヤ眠っていないなあ。と、お父さんは、なっちゃんが心の中でずっと引っ掛かっていた事を言葉にしてくれました。
そうなの、私が起きていたらおもちゃが感づいちゃうの、私が起きてるって。
うんうん。そういうのをね、矛盾ていうんだよ
矛盾はどうでもいいの。どうしても見たいの。と、なっちゃん。
しょうがない、分かった。とお父さんはいい、ちょっと待ってなと言いながらパソコンを起動させ、写真フォルダの中から更におもちゃと書かれたフォルダを開き、様々なおもちゃの写真を探し出しました。
G Iジョー、Nゲージ、ラジコン、ミニ四駆、ビックリマンのシール・・・お父さんは、子供の頃遊んでいたおもちゃを写真に撮り、その写真を取っておくのが趣味でした。
更に、妻のおもちゃと書かれたフォルダがあり、シルヴァニアファミリー、バービー、リカちゃん人形・・・と写真がずらりと並んでいました。
何とこの2人、子供の頃からおもちゃを写真にして取っておくという、共通の趣味があったのでした。
さてと、たくさんの写真の中から数枚、なっちゃんが気に入りそうな物をプリントアウトすると、お父さんは言いました。
そろそろ3時を過ぎる。良いこは起きてる?寝てる?なっちゃんは良い子かな?
うーん、わからない。でも眠いの。
そうかあ、眠い時は布団に入る、これいい感じ。と、お父さん。
いい感じする。と、なっちゃん。
では、おもちゃが遊んでいるところを見れるおまじないをしながら、寝ますか。明日の朝おもちゃが遊んでいるところを思い出すかもしれないよ。
そう言いながら、お父さんはなっちゃんが眠る枕の下に写真を置くと、なっちゃんを寝かしつけました。
おやすみなさい、お父さん。
おやすみ、なっちゃん。
なっちゃんはスヤスヤ眠ました
翌朝、「やったー!!」と大きく声を響かせました。
確かに、おもちゃが遊んでいるところを見たのでした、夢の中で。

なっちゃんとおもちゃのチャチャチャ

なっちゃんとおもちゃのチャチャチャ

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-11-12

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