『親友』

どうしようもなくなったら
アタシのとこにおいでよ
だって君は特別


『親友』


大好きな飲み物を教えて
大嫌いな色を教えて
あの人を想う時の
胸の痛みを教えて

口紅を選ぶみたいに
あの人を選んだ君は
何時かの幸せを何度も繰り返す
まるで過去を懐かしむ老人のように

ねぇ
手を繋いだら何処にだって行けた
あの頃とは全部違うのよ
アタシはもう
あの頃とは違うの

台本に隠れてしたキスも
屋上で夢見た心中ごっこも
舞台で渡した密かなラブレターも
全然が全部
もう過ぎ去ったことなのよ

目が覚めたらどうか
アタシ以外を捨て去ってください
そして赤い爪で唇を辿って
いつか行き着いてください



「ようこそ、アタシという迷宮へ」

『親友』

『親友』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-11-11

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