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第一章 夢と希望

どうしてこんなことになっているのだろう。

目の前で起きていることが全く理解できない。

みんな歓声を上げ、肩を抱き合っている。

さっきまで、こんな気分にはなっていなかった。

どうしてだろう・・・。

どうしてこんなことになっているのだろう。


目覚ましが鳴る。

不快な音だ。

あと5分。そう思って目覚ましを止める。

目覚ましが鳴らなかったことを考えて、もう一つ目覚ましをセットしてある。

その目覚ましからは大好きな音楽が流れる。

でも、毎日聞いているとさすがに飽きてくるものだ。

目覚ましがなって布団から出てくるのは約20分後。

1階に下りるとサランラップに巻かれたおにぎりと具沢山のみそ汁が机に並べられている。

持ち運ぶわけでもないのにサランラップに巻かれているのは、無駄とは考えないのだろうか。

時計を見ながらそれらを食べる。

時間切れになったところで食事をやめ次の行動にうつる。

おにぎりは中途半端に残っている。

これこそ本当に無駄なんじゃないかと思う気もするが、時間に追われている自分にはそんなこと気にする暇がない。

顔を洗い、歯を磨き、髪を自分の好きな型に整える。

制服に着替え、ボロくなった靴を履き、自転車で学校へ向かう。


自分が住んでいる町の公立高校。

偏差値はそれほど高くはない。

勉強すれば通うことの出来る学校だ。

末っ子の長男として生まれた自分としては良い親孝行が出来たと中学受験が終わったとき満足した。

今、高校三年生の自分は、部活動を引退し、第二の受験の準備へと切り替わるところだった。


「おはよう!純平!」

毎回、話しかけるのは自分からだ。

おう。と軽く返されると、すぐさまに次の話題を繰り出す。

「昨日のラヴアゲ見た?」

「見た見た!やっぱ絢かわいいよなぁ~。」

ラヴアゲとは毎週月曜日に放送されているラヴ・アゲインというドラマのことだ。

そこに出てくる女優の佐々木 絢のことが純平は好きで、勝手に絢と呼んでいる。

「絢と結婚してぇ。」

「無理だろ!東京行け!東京!」

なんの面白くもなんともない会話を毎日、毎休憩時間、続けている。

でも、こんな話題ではないと向こうを釣ることはできなのだ。

野球部に所属する純平は夏の大会に向けて、レギュラー争いを行っている最中だった。

陸上部だった自分は、6月に地区大会があり、予選敗退で、引退の美を飾った。

引退して、2週間が過ぎた頃、そろそろ進路を決めないとと思いたった。

どの大学を受験しようかと探したが、これといって行きたい大学がなく、疲れ果てていたところに、良いニュースが飛び込んできた。

「公務員試験を高卒で受けることが出来る。」

公務員、いわゆる、警察や消防、市役所の職員などだ。

自分は、このニュースに飛びつき、憧れだった警察官になるべく、試験の対策が行われている専門学校を探し、土日をつぶして通い始めたのだった。

大きな希望と夢をもって。

第二章 


目覚ましがなる。


「じゅんー!起きなくていいのー?」

母さんの声が聞こえる。

時計を見ると学校を出るちょうど一時間前。

ゆっくりベットから起き、一階に行くと朝ごはんがならんでいる。

ゆっくり食べてゆっくり学校へ行く準備をする。

坊主だから髪をセットする必要はないが、顔を洗い歯を磨き髪をセットしない分他のしたくをきちんとする。

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  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-01-23

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  1. 第一章 夢と希望
  2. 第二章