抑鬱者の世界

喪の悲しみは
耐え難いまでに広がり
実存を蝕む
容赦なく

閉じられた生の奥底に眠っているのは
触れるのも躊躇うほどに膨張した怨恨
何への?
何もかも。

抑鬱状態の頭では
世界を適切に認識することはできない
適切な世界などないのかもしれないが

死んでいるも同然のこの状態で
なおも存在をつづける意味はあるのだろうか?
意味のない存在を、世界は許容するだろうか?

抑鬱者の世界

抑鬱者の世界

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-11-08

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