底の抜けた器

この伽藍堂の器はどうすれば満たされるのだろう?
もう少しで満たされるはずだった、この繰り返しの
日々にいい加減終止符を打ちたい、この
とめどない焦燥の日々に

何が幸福を阻んでいる?それは
幸福からの刺客なのだろうか?
俺は幸福に試されているのか?
それなら幸福なんざいらないよ

飽きもせず俺を苦しめて、見上げたものだよ
でも俺はこの苦しみには飽きたよ
もっと新規的な苦しめ方を探しな、それが宿題だ

名も知らぬお前、俺に纏わりつく物好きなお前だって
手応えがないだろう、俺とお前は似たものどうしだよ
器の底が抜けているものどうしだ

底の抜けた器

底の抜けた器

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-11-08

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