蜘蛛
目を開けているあいだは
雨の降らない夏だった
配達のどんずまり
極太な蜘蛛の巣が夕陽に
ぎらぎら光るのを
葉書でたち切り くぐる
配達の切れ目で水を飲むと
右の 薬指の さきが痛い
環になった噛み跡が血に滲む
蜘蛛に噛まれたのかもしれない
自然の罰なのかもしれない
明日は雨になるかもしれない
薬指の先に
たしかな罰があり
そこだけが私そのもののようで
ちいさな罰がすべてをゆるして
くれるような気がして
安寧の眠気がおそう
青いちょうの樹の下
蜘蛛
目を開けているあいだは
雨の降らない夏だった
配達のどんずまり
極太な蜘蛛の巣が夕陽に
ぎらぎら光るのを
葉書でたち切り くぐる
配達の切れ目で水を飲むと
右の 薬指の さきが痛い
環になった噛み跡が血に滲む
蜘蛛に噛まれたのかもしれない
自然の罰なのかもしれない
明日は雨になるかもしれない
薬指の先に
たしかな罰があり
そこだけが私そのもののようで
ちいさな罰がすべてをゆるして
くれるような気がして
安寧の眠気がおそう
青いちょうの樹の下
蜘蛛