『孤独のうた』

本当を言えば今だって
アタシはひとりぼっち


『孤独のうた』


職員室前の非常階段も
飲み会帰りのタクシーも
寂しさを高めるための
舞台装置でしかなかった

追い詰められてかける電話は
いつも涙声と落胆
助けてくれる人なんて
どこを探したって居ない

でも独りって案外悪くない
可哀想なアタシに酔って
泣き言を零せば誰かしら
抱き締めてくれるんだから

理解したつもりになって
愛してるつもりになって
傍には居てくれる
それが孤独を増すとも知らず

終バスを逃した帰り道
涼しい風で酔いを醒まして
大丈夫なアタシに戻して
振りだけなら簡単な話



「23時過ぎ、またいつもの孤独を弄ぶ」

『孤独のうた』

『孤独のうた』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-10-10

Copyrighted
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